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春の高校バレー女子県予選特集① 日本一連覇を目指す東龍物語の序章がはじまる

春の高校バレー女子県予選特集① 日本一連覇を目指す東龍物語の序章がはじまる

 前大会で東九州龍谷(東龍)が日本一を飾った全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の女子県予選が24日から始まる。今年は新型コロナウイルスの影響により新チームになってから真剣勝負の場は少なく、対戦データのない一発勝負となる。圧倒的な強さを示す東龍でも油断はできない。第1回は日本一連覇に挑戦する東龍を紹介する。

 

 これまで幾度と日本一を獲得した東龍といえども、全国高校総体(インターハイ)、国体といった全国規模の大会がないまま、大一番となる春の高校バレーを迎えるのは多少の不安はある。竹内誠二監督は「インターハイや国体でチームの課題を見つけ、修正して自信を深めて春の高校バレーに臨んでいた。今年はそれができなかったのは大きな誤算。どの高校も条件は同じだけど、いかに自分たちがやってきたことに自信を持てるかが重要になる」と話す。

 

 春に長身の1年生が加わり、懸念材料であった高さは解消されたが、どこまで機能するかは未知数。それでも日本一を経験したエースの室岡莉乃(3年)をはじめ、コートに立った佐村真唯、折立湖雪、新改星南、新改栞南の2年生が主力として自覚が芽生え、安定感は抜群。「3年生がどれだけやれるか試されるのが春の高校バレー」(竹内監督)と、夏以降に力をつけた相良美桜、若松かのんら3年生が好材料となる。

 

選手それぞれが自覚を持って練習に取り組む

 

 日本一を宿命づけられたチームは、気負うことなく、連覇に向けて淡々と練習を積み重ねる。「これから急激に上手くなることはないけど、これでいいとは思っていない。今自分にできることを精一杯やりながら、ミスをなくすことにこだわりたい。どれだけ無欲で自分たちのバレーができるかが日本一につながると思っている」と相良は連覇の青写真を描く。それはチームの思いを代弁しており、それぞれが自分の役割を認識して、練習に打ち込む姿があった。

 

 これまで同様に粘り強いレシーブでつなぎ、高速コンビバレーで得点を重ねる伝統のスタイルは不変。春の高校バレーで最優秀選手賞に輝いた絶対的エースの室岡は、高水準のプレーを見せる。キャプテンとなってからはチームを引っ張る気概とともに、精神的支柱となっている。本戦に比べ「絶対に負けられない」県予選はプレッシャーが多いが、室岡は「初戦から真剣勝負できる」と、それさえを楽しむ余裕がある。東龍の日本一に向けた戦いは、ここから始まる。

 

日本一連覇を狙う東龍

 

 

(柚野真也)