現役プロが熱血指導 大分に広がる「バスケの灯」 【大分県】
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県高校新人大会 バスケットボール女子 逆転負けで準優勝の大分、言い訳できない勝負の年を迎える
創部当初から旋風を巻き起こした大分高校女子バスケットボール部が間もなく3年目を迎える。4月からようやく3学年がそろうことになる。今やベスト4の常連校としての地位を確立し、強豪・中津北まであと一歩というところまで力をつけてきた。
2日に開催された県高校新人大会でも、順当に勝ち上がり、決勝で中津北と対戦した。エースの秋吉楓を筆頭に、有墨遥野や山田晶の頭脳的なプレー、牧唯夏の力強いリバウンド力など、2年生を中心にチーム力はさらにパワーアップ。中津北の大津留礎監督が「技術は大分の方が上」と言うように、決勝では第3クオーターまでリードして試合を進めていたが、最後は粘り強い中津北に追い上げられ逆転を許した。一度は立て直し、再逆転への期待が膨らんだが、初優勝の夢はまたも先送りとなった。
「流れは悪くなかったのだが…」。試合後に楠本哲二監督は悔しさを口にした。これまでの試合では悔しさを表に出すことのなかった選手たちも、涙を流し、ぼうぜんと立ち尽くした。これまで上の学年で構成されるチームとの対戦ばかりだったが、今大会は1、2年生の新チームとなり、同じ土俵となった。言い訳が許されない状況となり、これまでの大会とは違う気持ちで挑んだのは明らかだった。
さらなる飛躍が求められるエースの秋吉楓
決勝戦は、技術や経験値に両チームの差はなく、流れをつかんだ大分が勝利してもおかしくない試合だった。しかし、ルーズボールへの執念やミスからの修正力など、試合にかける思いを一つ一つプレーにぶつけた中津北が一枚上手だった。中津北のエース・木下菜月(2年)対策も十分に練っていたのだが、特に終盤は「わかっているのにやられる状況が続いて、焦りが表情やプレーに出てしまった」と楠本監督。改めてメンタルの強化を課題に挙げた。
全国大会出場をかなえるためには、必ずぶつかる伝統校の壁。新3年生にとっては全ての大会が高校生活最後の大会になる今年。「新しいチームだからという言い訳はもう通用しない。普段の練習から全国を意識して、強い気持ちで挑む必要がある」(楠本監督)。中学から一緒に切磋琢磨してきた彼女たちのチームワークは県内最強。これまでにない悔しさを経験したことでさらに強くなった。悲願の優勝に向けて再出発を期す。
勝利への執念が問われる1年となる
(黒木ゆか)