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県内一周大分合同駅伝 注目の九州総合スポーツカレッジ

県内一周大分合同駅伝 注目の九州総合スポーツカレッジ

 県内39区間390.6㌔を5日間で競う春季県体・第61回県内一周大分合同駅伝競走大会が18日、スタートした。17郡市・16チーム(国東と東国東は合同)による熱いレースが22日まで繰り広げられる。今大会に初出場する九州総合スポーツカレッジの注目選手を紹介する。

 

復活への第一歩 

 

大塚彩也香(九州総合スポーツカレッジ1年)=中津=

 

 花の1区を走り抜いたのは大塚彩也香。同カレッジの1年生で、今年度から創設された陸上部の1期生だ。幼い頃からかけっこが得意だった少女は祖父に才能を見出され、小学2年から三光陸上クラブで競技をはじめる。「自分の走りが出せて、自己ベストが出せたときがうれしい」と記録を伸ばした。

 

 さらなる記録更新を目指して地元を離れ、大分西高校に入学したが慣れない寮生活と学業との両立で日々を追われ、故障が重なった。「高校時代はまともに走れず、正選手として大会に出場することは少なかった」。卒業後は陸上から離れようと考えた時期もあったが、東中津中学の頃から大塚の走りを見ていたカレッジ陸上部の衛藤道夫総監督から「力はある。下地をしっかりつくればもう一度走れるようになる」と声が掛かり、現役続行を決意する。

 

 昨年4月から心機一転、創設された陸上部で地道にトレーニングを継続した。タイムが伸びず、思い悩むこともあったが、「大丈夫や。焦らんでいい」と衛藤総監督の言葉に励まされ、基礎体力を積み上げ、フォームを見直す。徐々にパフォーマンスは上がり、県体3000㍍で3位など実績を挙げ、今大会に出場することになった。「小さい頃から県内一周大分合同駅伝に出るのが夢だった。これまで支えてくれた方に走ることで感謝の気持ちを伝えたい」とスタートラインに立った。

 

 序盤は抑え、得意のラストスパートにつなげるはずだったが、「緊張して体は重かった。後半に仕掛けたかったが力が足りなかった」と猛省。自分の走りができなかったことを悔やんだが、最終日の5日目にもう一度走るチャンスがある。「悔いのない走りをしたい」。完全復活までもう少し時間は必要だが、「走っているときが一番楽しい」と、大好きなかけっこで一番になるための準備を整えている。

 

最終日のレースへ期待がかかる大塚彩也香

 

走りを追求し才能“再”開花 

 

矢野陽介(九州総合スポーツカレッジ1年)=宇佐=

 

 初の県内一周大分合同駅伝に参加する屋久島出身(鹿児島県)の矢野陽介。大塚と同じ九州総合スポーツカレッジ陸上部の1期生だ。178㌢の長身を生かしたスライド走法で「1秒でも速くタスキをつなぎたい」と意気込む。

 

 中学3年時に鹿児島県大会800㍍で優勝し、注目を集めた。いくつかの高校からスポーツ推薦の話があったが、地元の高校を選ぶ。ただ、そこには陸上に専念する環境が整っておらず、鳴かず飛ばずの日々。2年時に鹿児島県下一周駅伝に出場したことが主だった成績で、結果を残せなかったが学業の成績は伸びた。

 

 学業に重きを置いた3年間、進学先には困らなかったが、国公立大学の合格通知を受けるも、「もう一度、陸上を本気でやってみたい」と昨年4月から同カレッジに入学し、本格的に走りを追求する日々を過ごす。衛藤総監督は「潜在能力は高いものを持っている。この1年は土台をつくったので、これからもっと伸びる」と期待を寄せる。

 

 県内一周大分合同駅伝では、カレッジ所在地の宇佐市代表として1日目の2区に出場。「気負い過ぎず、自分の力を出せればいい」と、久しぶりの駅伝だが気持ちの昂りを抑え、順位を一つ上げてタスキをつないだ。

 

 今後の活躍が楽しみな矢野陽介

 

攻守のつなぎ役からタスキをつなぐ 

 

川畑怜央(九州総合スポーツカレッジ1年)=宇佐=

 

 九州総合スポーツカレッジではサッカー部に所属する川畑怜央。中盤のダイナモとして豊富な運動量でピッチを縦横無尽に駆け回る。「相手の攻撃の芽を摘み、そこからカウンターにつなげるのが自分の特徴」。サッカーにおいて攻守のつなぎ役を担う。

 

 その豊富な運動量とスピードに目をつけたのが陸上部の衛藤総監督。「中学、高校でもサッカー部に所属しながら駅伝に駆り出されたことは知っていた。陸上の走りではないので厳しいが、今後につながる何かのきっかけになればいい」と誘った。

 

 川畑にとって駅伝の助っ人は慣れたもの。二つ返事で引き受け、県内一周大分合同駅伝に参加することになった。「駅伝はきついし辛いけど、出るからにはしっかりと結果を残したい。作戦なんて考える余裕はないので、とにかく食らいつく」と意気込みを語った。

 

 走りを専門とする選手たちとのレースは厳しい結果となったが、得たものも大きい。本職のサッカーは来年度から九州リーグに昇格する。「走りの質を追求したい。レベルが上がるが、活躍できるようになりたい」。駅伝での経験をサッカーに還元する。

 

今回は助っ人として参加した川畑怜央

 

(柚野真也)

大会結果