
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
東九州龍谷(東龍)の勝負強さが際立った県高校新人バレーボール大会だったが、準優勝した臼杵は守りと連係に優れ、組織力はどのチームより高かった。高さはそれほどないが、レシーブでとにかく拾ってつなぐ。昨年から主力だった小田彩乃(2年)、河野夏希(1年)、金子沙耶(1年)が中心になり、チームの完成度が一段増した。
「全ての始まりはレシーブ」と辻郁徳監督が話すように、全日本高校選手権大会(春の高校バレー)県予選が終わってから守備練習に時間を費やしてきた。「(ボールを)落とさないように視野を広くし、反応できるように練習から集中した」(小田)結果が形となった。準決勝の大分商業戦はリズムよくセットを連取し、寄せ付けなかった。辻監督が「サーブレシーブで崩れず、ミスが少なかった。2セット中、3連続失点したのが2回だけだった」と振り返るように、相手に隙を与えなかった。
組織力の高さが際立った臼杵
東龍との決勝は、立ち上がりからサーブやブロックがさえた。第1セット序盤で9-3とリードを広げ、試合の流れを手放さなかった。2014年県高校総体の決勝リーグ以来、東龍からセットを取ることに成功する。「準決勝からいい流れをそのまま持ち込めた。素直にうれしかった」と小田。2セット以降は目の色が変わった東龍に劣勢を強いられたが、粘り強くつなぐ“臼杵のバレー”で真っ向勝負した。殊勲のセッター吉田梨奈(1年)のトスワークが光った。仲間が懸命に上げたレシーブにテンポを加え、試合のリズムをつくる。守備の要の疋田美晴(2年)、大西美里(1年)のリベロが強打を拾う。試合中、会場が一番“ワッ”と盛り上がるのは、どんなスパイクよりスーパーレシーブを見た時なのだと痛感した。
結果は1-2で敗れたが、今月中旬の全九州選抜大会への期待が高まる内容だった。絶対的なエースがいなくても「地道に丁寧に1点1点を積み重ねていけば勝てる」(辻監督)。長短のサーブで相手を揺さぶり、動きを見て対応するリードブロックに飛ぶ。コースを限定し、ワンタッチで勢いをそいだボールをレシーブ陣が待ち構える。理論派の辻監督が丁寧に説明し、落とし込んだ戦術が浸透している。「これまでずっとやってきたことが形になってきた」。手応えをつかんだ準優勝だった。
テンポの良いトスが光った吉田梨奈
(柚野真也)
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