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全国高校野球大分大会 3連投のエース率いる高田が準々決勝進出 【大分県】

全国高校野球大分大会 3連投のエース率いる高田が準々決勝進出 【大分県】

第106回全国高校野球選手権大分大会

3回戦 7月19日 別大興産スタジアム

高 田  |050 000 000|5

大分工業 |010 001 000|2

 

 天候不良により大会が2日間延期。高田のエース井ノ本紘基(3年)にとっては恵みの雨となった。1回戦は延長10回タイブレークまでもつれ154球、2回戦は第3シード杵築を相手に151球、2試合連続完投した右腕は、3回戦も先発マウンドに立ち投打で大活躍した。

 

 延期の期間は調整。井ノ本は「(2勝したチームの)勢いが止まってしまうのではないか不安だったが、練習を重ねるごとに雰囲気が良くなった。個人的には体力が回復した」。登板翌日はメンテナンスに時間を割き、翌日からは通常練習をこなし、次戦に向けて心身共に整えた。

 

 3回戦の大分工業戦、まずは打で光った。二回に近藤大叶(同)の適時打でリードを広げ、続く二死二、三塁の場面。井ノ本は、狙い球を絞って強振すると中越え三塁打、走者一掃し、この回は5点のビッグイニングをつくった。

 

適時打でリードを広げた近藤大叶

 3連投のマウンドではエースとしての実力を存分に発揮した。インコースのストレートを武器に打者と駆け引きして凡打の山を築いた。たとえ打たれても「点さえ与えなければいい」(井ノ本)と動じなかった。五回、六回は得点圏に走者を背負ったが最少失点に抑え、崩れることはなかった。最終回は圧巻だった。無死一、二塁、この日最大のピンチを迎えたが、二者を三振、最後はショートゴロで打ち取り、133球を投げ抜いた。井ノ本は「一喜一憂することなく投げることができた」と涼しい顔で振り返った。

 

 次は4強をかけて第1シードの大分舞鶴と対戦する。井ノ本はこれまで無欲を貫いてきたが、「みんなが勝った後に喜ぶ顔を見たら、もっと勝ちたいと思えた」と話した。最後まで投げ抜き、チームの勝利を目指す。ノーシードから勝ち上がる高田のエースが、シード校キラーの名乗りを上げた。

 

 

3試合連続完投の井ノ本紘基


(柚野真也)