譲れない頂点、譲れない夢 春高県予選特集(女子) 国東 「守破離」で越える2強の壁 【大分県】
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今週末、全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)の県予選が幕を開ける。女子は全国高校総体準優勝、国民スポーツ大会3位の東九州龍谷(東龍)が絶対王者として君臨。春高予選26連覇という圧倒的な実績を誇り、四半世紀以上にわたって頂点を譲っていない。その牙城を崩すチームは現れるのか。打倒・東龍を掲げる大分商業、国東、臼杵の注目3校に迫る。最終回は九州準優勝を果たし、絶対王者・東九州龍谷との差を縮めてきた大分商業。
長年、「打倒・東龍」を掲げてきた大分商業。その背中を追い続けてきた選手たちは今、確かな手応えを感じている。4月の全九州バレーボール総合選手権県予選で準優勝すると、続く本大会では九州各県の強豪を次々と撃破。大会史上初となる大分県勢同士の決勝に進み、東九州龍谷(東龍)と対戦した。結果は0―2のストレート負け。それでも九州準優勝という成果は、チームの成長を示すものだった。
6月の県高校総体でも東龍に食い下がった。第1セットは25―27、第2セットは22―25。勝負どころであと一歩及ばなかったが、王者を追い詰める場面に会場は沸いた。ただ、実力を発揮できない試合もある。第2代表で臨んだ全九州高校総体では初戦でストレート負け。勢いに乗れば強豪とも渡り合える一方、試合の入り方や流れをつかめない時の立て直しには課題が残る。安定して力を出し切れるか。それが悲願達成へのカギとなる。

森栄一郎監督はこのチームを3年間かけて育ててきた。春高県予選はその集大成となる。「安藤(美空、3年)や小田原(明日香、同)は1年の頃から試合に使ってきた。その分、出られなかった3年生もいる。そういう仲間も含めて、ここまでの道筋をつくってきた。それを自覚してほしい」。コートに立ち続けた選手だけでなく、出場機会を得られずとも努力を重ねてきた仲間がいる。3年間の歩みを全員の力に変えてほしいという森監督の願いだ。
その思いに応えるように、3年生の姿勢にも変化が表れている。エースの安藤は優しい性格で、これまで感情を前面に出すことが少なかった。しかし、最近は自ら声を出し、仲間を鼓舞する場面が増えた。「東龍を倒す最後のチャンス。自分がやってきたことを全部出し切りたい」。普段は冷静な左利きのミドルブロッカー帆秋杏(3年)も胸に秘めた闘志を言葉にする。「東龍がすごいのは分かっている。でもスパイクは自分も負けない。元気とか、自分が持っているものを前面に出して、バレー人生の最後を悔いなくやりたい」。キャプテンの朝久野咲菜(3年)は、これまでの敗戦で痛感した課題に向き合う。「自分たちは最後の1、2点を取り切れない心の弱さがある。そこを乗り越えて優勝を目指す」

順当に勝ち上がれば、春高県予選決勝で東龍との対戦は13年連続となる。互いの特徴を知り尽くした相手だからこそ、最後は技術だけでなく、勝負どころで攻め切る強さが問われる。何度も跳ね返されてきた王者の壁。あと1点、あと2点。そのわずかな差を埋めるために、3年間を積み重ねてきた。卒業した先輩、苦楽を共にした仲間の思いも背負い、最後まで攻め抜けるか。悲願の春高県予選初優勝へ。積み重ねてきた3年間の答えを出す時が来た。 (甲斐理恵)
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