春高への切符は譲らない! 男子シード4校の挑戦 大分南 敗戦を力に変え王座奪還 【大分県】
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高校バレーの集大成となる「春高」への挑戦が始まる。全国大会への切符は、わずか1枚。3年生にとって最後の大舞台を前に、県内の強豪校はそれぞれの課題と向き合い、チームを磨き上げてきた。果たして頂点に立つのはどこか。全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)県予選の開幕を前に、男子シード4校の戦力や注目選手、勝負のポイントを紹介する。第3回は県高校新人大会で大分工業を破り、準優勝を果たした鶴崎工業。
1月の県高校新人大会で優勝候補の大分工業を破り、準優勝。鶴崎工業は今年、確かな手応えとともにスタートを切った。しかし、その後の対戦では大分工業に勝てず、上位校との差を改めて突きつけられた。力がないわけではない。問題は、その力を強豪相手にも発揮できるかどうか。春高県予選を前に、乗り越えるべき壁は明確になっている。
「いろんな面で安定して、ミスも減った。力が競っているところには負けなくなった。でも、強い相手になるとなかなか力を発揮できない。守り負け、攻め負けする。どこか気後れするような空気が出る。そこが弱さ」。二宮裕和監督は成長を認めながらも、厳しい言葉を口にする。
大きな舞台を数多く経験してきた選手が多いわけではない。経験値の差が勝負どころの自信や判断の差につながっていることは否めない。その差をどう埋めるかが、春高県予選までの大きなテーマとなる。カギを握るのは、これまでも課題としてきた守備だ。中心となるのはリベロの野村郁斗(3年)。サーブレシーブを安定させ、セッターに正確なボールを返すことが、多彩なコンビ攻撃を生かす第一歩となる。二宮監督は日々の練習でも「何のためにこの練習をしているのか」を選手たちに意識させ、プレーをただこなすのではなく、試合につながる一球にすることを求めている。

攻撃陣には頼もしい顔ぶれがそろう。キャプテンでエースの大嶋輝紀を筆頭に、浜岡凌雅、渡辺聡太、城井優多ら3年生が軸となり、河野夢生(ゆうせい、2年)、浜田虎太郎(1年)も台頭。県高校総体後に攻撃の軸だったミドルの一人が抜けたものの、選択肢は着実に増えている。
中でもチームに新たな刺激をもたらしているのが浜岡だ。8月の国民スポーツ大会九州ブロック大会では県王者・大分工業の選手を中心に構成された大分県少年男子代表に、鶴崎工業からただ一人選出された。県内トップレベルの選手と共に研さんする中でプレーの幅が広がったのはもちろん、バレーへの向き合い方が大きく変わったという。「バレーに対する意識の差を感じた。大分工業の選手は常にバレーのことを考えていて、自分にもいろいろ聞いてきた。うちはまだ緩い部分がある」(浜岡)。そこで感じた空気感をチームに伝えようと、練習中から積極的に声を出し、気付いたことがあれば仲間に伝える。その姿勢は少しずつ周囲の意識にも波及している。

ジャンプサーブで相手を崩し、ミドルを絡めたコンビバレーで一気に仕留めるスタイルは変わらないが、一人ひとりの意識が高まれば、その精度はさらに増していく。その攻撃を組み立てるのがセッターの内谷空斗(3年)だ。守備からリズムをつくり、それぞれの持ち味を引き出せれば、攻撃の幅もさらに広がるはずだ。
県新人大会でつかんだ自信と、その後に味わった悔しさ。両方を経験したからこそ、今の自分たちに何が足りないのかが見えてきた。強豪を前にしても気後れせず、最後まで自分たちのバレーを貫けるか。春高県予選は、この一年の成長を証明する舞台となる。目指すのは県新人大会を上回る頂点、そして全国への切符だ。 (甲斐理恵)
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