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大分雄城台高校 児玉芽生 感謝の気持ちで臨み悲願のV 国体では2冠狙う

大分雄城台高校 児玉芽生 感謝の気持ちで臨み悲願のV 国体では2冠狙う

 インターハイ陸上女子100m決勝。児玉芽生(3年)は「やれることはすべてやった。あとは今までの陸上人生で関わったすべての人への感謝の気持ちをもって思い切り走るだけ」と気負いはなかった。レース序盤は横並びだったが、後半に一気に抜け出し、悲願の優勝を果たした。

 

 児玉は小・中学校と全国で注目される選手だったが、高校では思うような結果を出せずにいた。1年生の時は北九州大会で100m、8位と惨敗。リベンジの年と意気込んだ2年生の夏、インターハイの出場権は手にしたが足の親指を疲労骨折し棄権、悔し涙を飲んだ。その後の、いわて国体では肉離れを起こす。今年は2年分の悔しさをぶつける最後の年だった。

 

 けがをしても決して腐らず、黙々とリハビリに励んだ経験が、児玉を一回りも二回りも成長させた。それは日々の練習だけではない。児玉はあるこだわりを持っている。それはグラウンドのごみ拾いだ。自分が走るグラウンドはどこであってもごみを拾う。「ごみを拾うことは運を拾うこと。練習はもちろん、普段の掃除やあいさつなどに誰よりも取り組んだ自信がある。日常生活の態度も含めて陸上の神様はちゃんと見ている」。児玉は笑顔でそう語った。また、これまで指導してくれた人たちへの感謝の言葉を何度も繰り返していた。陸上を通じて、感謝の気持ちを忘れない人間へと成長した。

インターハイ陸上女子100mで優勝した児玉

 インターハイの予選は緊張で体が固まっていた。しかし1位通過したことや顧問の穴井伸也教諭からの「今までやってきたことを信じて元気よくいけ」という言葉で緊張がほぐれ、準決勝・決勝では自分の力を余すことなく出せたという。ただ、スタートダッシュには課題が残る。もともと後半勝負の選手なので、スタートを改善すればさらなる記録も期待できる。インターハイは2位の選手との差が0.04秒だったが、「国体では、ぶっちぎって優勝したい」と意気込む。

 

 穴井教諭は「児玉はフィジカルもメンタルもまだまだ発展途上。でも、それだけ可能性がある選手。どこまで伸びていくのか、伸びしろが大きいところが彼女の魅力。インターハイは優勝したけれど、国体は国体。リセットして向かわせたい」とすでに国体に照準を合わせている様子だった。「国体は今までお世話になった先生方へ、優勝という形で恩返ししたい」と感謝の思いを胸に、最後の大舞台に挑む。

 

指導者の意見を聞き入れる柔軟さと素直さが記録を伸ばした

 

国体ではぶっちぎりの優勝を目指す

 

(緒方美香)

大会結果