
大分トリニータ シーズン総括 戦い方を徹底できず低迷、降格危機で現実路線へ 【大分県】
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先例のないコロナ禍を前に、スポーツの在り方が問われた2020年。これまでと異なる制限下で、アスリートたちは感染を防ぐために自らを律し、ピッチやコートで自らを解放し、競技ができる喜びを体全体で表現した。新しい年を迎え、活躍が期待されるうし年生まれの県内に縁のあるアスリートに抱負などを語ってもらった。第2回は大分三好ヴァイセアドラーに今季から加入した井口直紀、古賀健太、山田滉太の大卒3人組。
昨年10月に開幕したバレーボールVリーグ1部。大分三好ヴァイセアドラーは14試合を終えて未勝利、最下位の10位と低迷している。厳しい状況下にあるが、将来性豊かな若手が起爆剤となっている。セッターの井口直紀、オポジットの古賀健太、アウトサイドヒッターの山田滉太の大卒ルーキーだ。共に開幕戦からコートに立ち、持ち味を出し切り出場機会を伸ばしている。
左から古賀、井口、山田
強気なトスワークで開幕から6試合連続で先発メンバーとなった井口は、「大事な場面でミスが出て崩れることが多かった。試合に出る回数が多く、ボールに一番触る回数の多いポジションの自分が立て直せなかった責任」と、1年目の甘えはない。年末年始の中断期間に、スパイカーとの連係を高めるためにコミュニケーションを取った。「それぞれの性格やストロングポイントを整理し、打ちやすいトスが上がるように微調整した。1つ勝てば流れは変わると思う。もっとアグレッシブなプレーでチームを盛り上げたい」と勝利への執念を燃やす。
強気なトスワークで勝利を目指す井口
開幕戦でチーム最多の12得点を記録した古賀は、外国籍選手とポジション争いをしながら成長している。体の線は細いが、左腕が振り下ろす鋭角のスパイクは強烈。好不調の波はあるがチームのアクセントとなっている。「チャンスはもらえているので、試合に出たときは持てる力を最大限に出して勝利に貢献したい。ブロックが高く、抜けてもレシーブされるトップリーグのレベルの高さに戸惑ったが、今はいかにスパイクをコントロールできるか精度にこだわっている」。与えられた場面で自分の仕事を全うできるように準備に余念がない。
鋭角なスパイクが持ち味の古賀
3人の中で最もインパクトを残している山田は、ピンチサーバー、レシーバーとしての出場が多いが、大きな手応えをつかんでいる。「大分に来てからずっと強化してきたレシーブの成功率が上がっている。サーブもスパイクも通用している」。175㌢の小兵だが際立った運動神経で地をはうような姿勢からの果敢なレシーブを可能にし、ごう音とともに白球を押し出すジャンピングサーブと対空時間の長いバックアタックで得点を重ねる。(開催が中止となった)オールスターゲームの出場選手を決めるファン投票の中間発表でランクインするなど注目を集めている。「僕は新人だし自分のプレーを出すことを考えたい。イケイケな感じでやればチームに勢いがつくと思っている」。怖いもの知らずは新人の特権、ヒーローになることを常に考えているという。
積極的なプレーで注目を集める山田
三者三様、表現こそ違うがチームの勝利を願う思いは同じ。才能に疑いの余地はなく、試合に出ることで成長している。小川貴史監督は「若い選手が開幕から試合に出ていることで、チームにいい刺激を与えている」と話す。ルーキー3人組の活躍で、大分三好ヴァイセアドラーの反撃が始まる。
(柚野真也)
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