
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ) 県2次予選が24日から始まる。1次予選から勝ち上がった4校がシード4校に挑み、その勝者が準々決勝から出場するスーパーシード4校と激突する。トーナメントが最終幕を迎える頃には、どんなドラマが待っているのか。第4回は、ここ数年で大きく力をつけた情報科学を紹介する。
2月の県高校新人大会で歴代最高順位の3位に輝き、創部以来初の九州大会出場を決めた情報科学。新型コロナウイルスの影響により残念ながら大会は中止になったが、キャプテンの庄本萌音(3年)が、「今年のチームは上位を目指せる力を持っていると思う」と話すように、成功体験がそれぞれの自信につながっている。
県高校総体では「練習不足で調子を落とした。全く動けなかった」(井上聖也監督)というように、実力を出し切れずベスト8に終わった。ベストコンディションではなかったこと、さらにけがを抱える選手もいたことから納得できる結果ではなかったが、これまでにできなかった得点パターンが生まれるなど、確実に成長している。
県新人大会ではベスト4入りした情報科学
その要因の一つは、抜群のチームワークの良さだ。キャプテンの庄本と植木詩織(3年)のホットライン、2人を尊敬し勝利への思いを強く持つ1、2年生。井上監督が「チームの結束力はどこにも負けない」というように、学年を越えたチームワークを試合の局面で発揮できるのが強みだ。普段の練習では庄本を中心に会話を重ね、考えながら次につなげるという構図がきちんと出来上がっている。全員で一つ一つのプレーを理解し、共有しながら仕上げていく。経験値の高い庄本と植木の活躍が必要不可欠だが、目を見張る成長ぶりを見せている2年生の活躍にも期待が持てる。スピード、高さ、得点力などそれぞれが持つ個性を集結し、組織力で強豪校へ挑む。
もう一度ベスト4以上、そして憧れの全国へ。技術や感性、プレーの精度を磨き、スーパーシードのプライドを持ち、チャレンジャーとしての気持ちを忘れずに挑む。「失敗しても下を向かずに、普段どおりにバスケを楽しんでほしい。結果はついてくると信じている」(井上監督)。九州大会出場を決めた際に新調した団旗に記された『最高の自分を目指せ!!』を体現すべく、最後の大会で全力を出し切る。
個性が際立つチームとなった
(黒木ゆか)
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