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県高校新人サッカー大会 決勝は大分と大分工業が対決

県高校新人サッカー大会 決勝は大分と大分工業が対決

 サッカーの県高校新人大会は3日、大分市のだいぎんサッカー・ラグビー場で準決勝2試合が行われた。全国高校総体全国高校選手権に出場した大分と、11年ぶりの優勝を狙う大分工業が決勝に駒を進めた。

 大分はセットプレーから得点を重ね、大分上野丘を3-0で退けた。二つの全国大会に出場した2年生が新チームの軸となり、新戦力を引っ張り快勝した。大分工業は攻守がかみ合った。組織的な守備と個々の持ち味を発揮した攻撃陣が躍動し、柳ケ浦に5-0と圧勝した。

 

尻上がりに調子を上げ大分は決勝進出

 

大分 3-0 大分上野丘

 前半2-0

 後半1-0

 

 全国高校選手権に出場した大分は、年明けから新チームがスタートした。小野正和監督が「選手権に出た選手と出ていない選手が連係するまでに至っていない。今までやってきたことを当てはめただけ。選手の並び(ポジション)や組み合わせもあやふや」と話すように、これまでの3試合は全て先発が異なる。他校に比べ準備期間が極端に短く、今大会は苦戦していたが、準決勝は快勝した。

 

 「早い時間帯に先制できたのが良かった」とキャプテンの佐藤芳紀(2年)。前半17分、この試合初めてのCKの場面で瀬藤聖人(2年)が直接ゴールネットを揺らした。「GKとディフェンスラインの間を狙った。誰か触れば入ると思っていた。狙いは良かった」と得意のプレースキックが貴重な先制点を生み、チームを勢いづけた。

 

 前半22分に追加点を奪った永松恭聖(2年)らセンターラインに配置した“選手権組”がチームの太い幹となり、新チームで出場機会を得た選手が枝葉となった。交代枠最大の5人をフル活用し、「今はいろんな選手を使い、試したかった」と小野監督。だめ押しの3点目は途中出場の長沢真人(2年)がしっかり結果を出し、選手層に厚みを加えた。

 

 内容も試合を重ねるたびに良くなっている。パスの巡りが良く、「テンポが上がれば、チームの状態は上向く」(佐藤)。球際で激しさが戻り、最終局面では体を張った守備で無失点に抑えた。決勝ではさらにギアを上げた状態で臨めそうだ。

 

2点目を奪った永松恭聖

 

狙いが明確、迷いなき大分工業

 

大分工業 5-0 柳ケ浦

   前半1-0

   後半4-0

 

 昨年決勝で敗れた相手に5得点し、完封勝利。「チームの特徴がかみ合った。5-0は出来過ぎ」と語る友成義朗監督に笑みがこぼれた。引退した3年生に比べ、個々の技術が劣る。チーム力も低下したことは否めないが、「できることが少ないから、やることを単純にした」

 

 技量を運動量と組織力で補い、最少失点で抑える。互いに抜かれてもカバーしようと共有しているからほころびが少ない。攻撃はおぼつかないがショートパスで相手を食いつかせ、一気にサイドに展開してスピードのある三重野千尋(2年)が豪快に突破し、キャプテンの高野康巳(2年)に託す。狙いが明確だから選手に迷いはない。

 

 前半11分の先制点はオウンゴールだったが、三重野の低い弾道のクロスがゴールを呼び込んだ。追加点を奪うまでに時間はかかったが、後半2分に攻守のつなぎとなる明石龍弥(2年)が得点。その6分後に高野が3点目を決めると、攻守の入れ替わりが激しい大味な試合展開となった。

 

 ただ、集中力を切らさず無失点に抑えたことは成長の証。高野は「最後まで自分たちがやることに集中できた」と勝因を口にした。インフルエンザの影響で準々決勝からの出場となった三重野は、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのごとく、最後までエンジン全開。4点目はライン際をドリブルで突破して中に切れ込み、角度のないところからシュートを打ち込む。5点目も同じような形から最後は味方にパスを出し、アシスト。この日3得点に絡む活躍でチームをけん引した。

 

 昨年はどの大会でも優勝校に名が挙がりながらタイトルを取ることができなかった大分工業。新チームの前評判は決して高くなかったが、決勝まで勝ち上がったのは運だけではない。「(昨年の)先輩たちに比べ実力がないが、今のチームは、みんなが頑張れるチーム」と高野。決勝戦は“勝ったチームが強い”ことを証明するチャンスだ。

 

3得点に絡んだ三重野千尋

 

(柚野真也)