県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
投打がかみ合い新生・藤蔭が好発進 夏の甲子園予選2019
第101回全国高校野球大分大会
7月8日 第3試合 1回戦 別大興産スタジアム
藤 蔭 000 300 021|6
大分東明 000 010 001|2
前大会覇者の藤蔭が大分東明を相手に勝利し、1回戦を突破した。先発の片平真(3年)が4回を無失点に抑え、継投した高田大樹(2年)は2失点したが要所を抑えた投球で試合をつくった。投の殊勲者が前出の2人なら、打の主役は4番・塚本修平(3年)だ。新チームになってから4番が定位置となった塚本が、頼れる主砲となったのは冬場の厳しい練習を乗り越えてから。「相手投手の配給を考え、強い打球を打てるようになった」と竹下大雅監督。平日は1000本、土日は1500本の素振りを課し、スイングスピードが上がった。塚本は「ギリギリまでボールを見極めることができるようになった」と自分の打撃に自信を持てるようになった。
大分東明戦は初回の2死三塁の場面で三振。「1打席目は緊張もあり自分のバッティングができなかった」と悔やんだが、ベンチで竹下監督の「(気持ちを)切り替えていこう。まだまだ始まったばかりだ」との言葉に奮起した。四回無死一、三塁の場面で二塁打を放ち、先制点を呼び込むと、八回には「俺のところでチャンスが回ってこい」と願い、2死二、三塁の場面では左越え2点適時打で追加点を奪った。直後には「決して足の速い選手ではないのだが」と竹下監督も驚く三盗を決めた。この試合3安打3打点、1盗塁のおまけ付き。チームも個人も勢いに乗るには十分な活躍だった。
3安打3打点の4番・塚本修平
夏の全国大会に出場した3年生が引退し、新チームの始動はどこよりも遅かった。今年2月には体調不良の原秀登監督に代わり竹下氏が就任した経緯もある。少なからず動揺があったが、26歳の青年監督は「練習でやったこと以上のことは試合に出ない」と選手と一緒に汗を流した。これまで部長職に就き、寮監としても選手とは朝から晩まで一緒にいたため、選手と監督の境を引くことはなかった。「自分は監督としての経験がなく、全てが初めてだから」と背伸びすることはなかった。
選手に戸惑いはなく、松尾将主将(3年)は「全てが初めてのことだったが、チャレンジャーとしての気持ちが強くなった」と語る。プレースタイルも守備からリズムをつくり、1-0で守り勝つ野球から、足を絡め、5点以上を取る打ち勝つ野球になった。初戦は6得点、チーム安打数は7つだったが盗塁6つを絡めて得点につなげた。狙い通りの試合で好発進の新生・藤蔭が連覇を狙う。
守備も隙のない藤蔭
(柚野真也)