大分高校ソフトテニス部 青野良真(3年) file.825
ソフトテニス
ソフトテニス男子 大分 3年生の思いを継いだ可能性を秘めたメンバー
「全国選抜大会出場」のための3カ条
・最後まで走り抜く
・苦しい場面で逃げない
・チームを背負って戦うという責任を持って挑む
県高校新人大会で1年ぶりの優勝。九州選抜大会への出場を決めた大分。登録メンバーの半数を1年生で構成して団体戦で優勝し、今後に大きな可能性がうかがえる。多くの大会が中止になる中、団体戦での試合は全員が初の高校デビューだったが、新チームとして幸先の良いスタートを切った。
「目立つ選手こそいないが、目標に向かって一生懸命取り組む選手ばかり」と今年のチームを見る平原滉太郎監督。大会の中止が相次ぐ中でも、選手たちは気持ちを切らさなかった。特に全国高校総体(インターハイ)の中止が決定した段階で「春の全国選抜を目指そう」とチームが団結。目標を見失わなかったことが今回の結果に結びついた要因の一つと言える。「個人の課題、チームの課題をそれぞれが見つけ、全国を目指せなかった3年生の分まで頑張ろうという思いが強い。定めた目標値を下げずにやっている」(平原監督)。
現在強化しているのが走り込みだ。それぞれが持つ技術を試合で発揮するためには、試合で最後まで走り抜くことが重要なポイント。体力も身に付くことで、苦しい場面でも丁寧なプレーができ、確実な1本が決まる。平原監督は「特別な練習はしていない。基本練習をこなすことで、ミスが少なくなった」と話す。
団体戦メンバー以外の選手も同じ目標を持って戦えるのがこのチームの良さ。平原監督は「試合に出る選手は、出られない選手の思いを背負っているという自信と責任を持って戦ってほしい」と、チーム力で勝つことにも期待している。
全国高校選抜大会の出場権を狙う
この選手に注目
藤平優希(2年)
2004年2月26日生まれ、172cm、60kg、大在中学校出身
「ラケットさばきが早く、高い運動能力を持っている」と平原監督。しかしこれまで高い成績を残せていないのは、優しい性格故にここ1本を決められないこと。県高校新人大会では優勝という結果にもかかわらず、反省の言葉も多かったという。本人も「1試合目から調子が悪く、攻撃的になれなかった」と振り返りながらも、「試合を重ねるごとに気持ちを切り替え、決勝戦では思い切ったプレーができた」とメンタルの成長を実感できた大会となったようだ。日常から「決勝戦で自分が決めて勝つ」というイメージトレーニングをしているという藤平。「九州大会は自分の殻を破る大会にしてほしい」(平原監督)と、チームの中心選手になることは間違いない。
(黒木ゆか)