杵築高校 徹底した肉体改造と揺るがぬ意志で頂点を狙う

2017/06/28
  • 高校野球

 2012年全国高校野球選手権大分大会。聖地への切符を手にしたのは、「KITSUKI」の文字が煌めく真っ白なユニフォームだった。あの日から5年が経過した今、地域は再び“杵築旋風”を待ち望んでいる。

 

 指揮するのは同校野球部の出身者である阿部知巳監督。現チームを「派手さはないが、バランスに優れたチーム」と話し、「県代表として2回目の夏を甲子園で迎えたい」と甲子園への強い思いを口にする。そしてチームとしての夢はまだその遥か先、球児たちが見つめているのは聖地での1勝。さらに勝ち進んだ者しか挑むことができない大舞台での頂点だ。

 

 チーム最大の武器は日々のウエートトレーニングで鍛え上げた打力。「強い体なくして他県の強豪校とは戦えない」という考えから、技術面はもちろん、部員らはじっくりと時間をかけ、増量をはじめとする肉体の大改革に取り組んできた。中にはこの3年間で12㎏の増量を達成した部員もおり、寮生活ではない彼らの生活意識の高さ、その姿を見守る最大のサポーター・保護者という存在の大きさを知る。

 

 予選突破の鍵は、持ち味でもある打撃力の強化。マネージャーを含め56名の部員たちはそれぞれの思いを胸に夏への助走を開始する。

 

2度目の甲子園出場を目指す第2シードの杵築高校

 

戦力分析(10段階評価)

 

攻撃力8

波が少なく、上位から下位まで切れ目のないしぶとい打線を形成。左打者・右打者がそれぞれの持ち味を生かした、力強く多彩な攻撃が特徴。代打陣もしっかりと控える。

守備力7

センターラインを中心に守備力は高い。外野手は足の速い選手が多く、広い範囲で固い守備を見せる。

機動力7

“一つでも先の塁を奪う意識”はチームの全員が持っている。個々の選手が多くの経験を積み、磨いてきた状況判断能力に期待。

選手層8

代打、代走、守備固めなど、大事な局面の切り札となるスペシャリストがしっかりと揃う。メンバーの試合経験も豊富。

投手力8

打のチームであっても、投手陣も厚い選手層を誇る。左右、サイドスローなど枚数も多く、野手兼任の選手もいるため心強い。エース市原良生、キャッチャー市原光生による息の合った双子バッテリーにも注目。

 

ウエートトレーニングで鍛え上げ打力が増した

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