藤蔭高校 培われた精神力で諦めない野球を貫く

2017/06/24
  • 高校野球

7月8日から夏の甲子園予選がいよいよはじまる。

今年は第1シードの明豊高校、大分商業高校が

昨年秋からの大会を見る限り、頭ひとつ抜けた存在だ。

それでも、チームとは生き物であり、同じものはふたつとない。

どの試合にピークを持っていき、設定した目標によってもチームは大きな変貌を遂げる。

甲子園予選直前企画と題し、シード校8チームと注目2チームを紹介する。

今回は堅実な守備が持ち味の第3シードの藤蔭高校。

 

 定評のある守備力はさることながら、夏の大会を目前した今、急成長をみせているのは打線。特に攻守の要となる、久保山、原、荒木の活躍が目覚ましい。好調の理由のひとつは、春に行った10日間の強化合宿が挙げられる。走り込みを中心としたトレーニングに徹したことが、支部大会を勝ち上がれたことにも繋がった。チームの強みである堅実な守備にも磨きがかかり、ピッチャーを軸にしたセンターラインがチームをけん引している。

 

 チームを率いて10年目となる原監督は、今年のメンバーを今までで一番人間性の高い選手たちと評価している。「このメンバーで甲子園を目指したい」という強い気持ちは強い。体調が万全ではなくても練習時間より早く集まる真面目な選手たちに、時には激しさを求め、“野球という名の喧嘩”をすることも必要だという。

 

 「答えのないスポーツだから、高校3年間は野球のために捧げてほしいと言ってきた。最後はどんなことをしてでも勝つという強い気持ちを見せてほしい」。原監督自身、藤蔭のユニフォームを着て甲子園の舞台に立った経験から、リアリティのある言葉を伝え続けた。

 

 バランスの取れた個々の能力と、誰が出ても遜色ないというチームの信頼関係はゆるぎない自信となっている。「チャンスは全員でもぎ取れ、ピンチは全員でしのげ」。監督の信念とともに歩いてきた藤蔭ナインの成長は楽しみだ。

 

戦力分析(10段階評価)

 

攻撃力:7

3年間で力を付け成長した原や久保山、荒木が主軸。課題は簡単にアウトにならないこと。最後までもがく気持ちをみせたい。

守備力:8

攻撃と同じメンバーが要となる。極力エラーを減らし、ライン際のボールは積極的に補球する強い気持ちが大事となる。

機動力:7

走攻守で動けるようになったのは大きなプラス。意識も高くなり、走力にもつながっている。

選手層:7

決して層は厚くはないと監督は言うが、どの選手が出ようとも戦力的に変わりはない。チームの信頼関係は強く、仲間のミスをカバーできるチームワークで乗り切る。

投手力:7

例年、投手は一枚だったが二、三枚になる可能性も。捕手である久保山との連携もキーとなる。

 

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