準決勝に続き、試合を決める大仕事をした２年生の野辺優汰と藪田源のクリーンアップは、「大事な場面は２年生に巡ってくる。その時に備えていつも準備していた」（藪田）と決勝では互いに３打点を挙げて、上級生の意地をみせた。夏の甲子園県予選では優勝候補の大本命だったが準決勝で敗退し、先輩が悔し涙を流す姿を目に焼き付けた。その翌日から野球に対する思いを再確認し、「なぜ野球をするのか？勝つために必要なことは何か？」を自問自答する日が続いた。１年生が主力として起用されたが、２年生は腐らずに自分がチームに何ができることを考え、行動した。そんな仲間のために「試合に出たやつが勝負を決める」という強い覚悟があった。

　怖いもの知らずの１年生が思い切りプレーし、勝負強い２年生が試合を決める。「新チームに派手さはないが、真面目で努力を惜しまない選手が多い。スターをつくらず、それぞれが役割を分担できている」（川崎監督）。新たな船出は順調で、来春の全国選抜大会に向けて、まずは九州大会でベスト４以上が目標となる。今春の九州大会で２位となり、勝ち上がる雰囲気を経験できたのは大きな財産となっている。藪田は言う。「俺たちも『やったろ！』という気持ちは強い」

今大会で打撃が開眼した藪田源

（柚野真也）