熱戦を彩ったヒーローたち 夏の甲子園予選 その3

2018/07/30
  • 高校野球

ラッキーボーイから本物の主砲へ

 

岩崎晃太郎(柳ケ浦高校2年)

182cm、80kg、志賀中学校出身(愛知)

 

 柳ケ浦のラッキーボーイとして準々決勝でサヨナラ安打を、準決勝では決勝打となる走者一掃の二塁打を放ち、決勝進出の立役者となったのが2年生の岩崎晃太郎。定岡智秋監督は「持ってる男」と今大会のキーマンに挙げた。

 チャンスの場面で打席が回ると「自分がヒーローになる」と物おじすることなく、楽しめるプラス思考の選手だ。帽子のつばの裏の中央に書いた「大分No.1の男になる」という言葉を見て打席に入り、守備につく。その大きな文字の横に「YDK」「DJB」と書かれている。何の意味かと聞くと「やればできる」「大丈夫」と今どきの高校生らしい言葉が返ってきた。

 入学当時は104kgあった体重を、昨年の冬から走り込みと筋力トレーニングで80kgに絞った。「おかげで動きやすく、スイングにキレが出た」と今大会の活躍の要因を話す。顕著なのはインコースの速球への対応だ。「これまでお腹の肉がじゃまして」と冗談交じりに笑ったが、力だけでバットを振り回すパワーヒッターから、シャープなスイングで長打を狙うスラッガーに変身した。逆方向へも打球を飛ばせるようになった

 決勝戦では、「オレが決めてやる」という気持ちが強すぎ、強引に引っ張る場面が目立ち無安打に終わった。これまで自由奔放に打席に立ち、来た球を打っていたが、初めてプレッシャーを感じたのだろう。「足りなかった部分をしっかり考え、次に生かしたい」と飛躍を誓った。新チームでも主軸を担うだろう。

 

 

(柚野真也)

  • LINEで送る

関連記事

ページトップへ