高校野球 エースの自覚が芽生えた寺本悠真(明豊2年) 【大分県】

2024/09/08
  • 高校野球

 県選手権決勝は抜群の制球力に加え、緩急と落差のあるカーブで2桁の三振を記録。「調子はよかった」(寺本)と危なげないピッチングを見せたが、終盤の8回、9回で相手打線に捕まった。川崎監督は「寺本は打たせて取るタイプの投手。3、4巡目で相手打者の目が慣れてくるので本来は9回まで投げさせることはないが(エースとしての)覚悟を見たかった」と話す。結果、9回途中、自責点3でマウンドを降りることになったが、「悪くはなかった」と川崎監督は及第点をつけた。

 

 ただ、寺本は満足する様子はない。「力不足」と悔しがったのはエースとしての自覚が芽生えたからこそ。カーブ、スライダー、チェンジアップの得意の変化球から「三振が取れる決め球をつくらなければいけない」とワンランク上の投球を見据える。川崎監督は「バッティングでもチームの勝利に貢献できるエース」を求めており、寺本は苦手なバッティングでも決勝では2安打2打点と結果を残した。

 

 九州地区大会県予選が14日に始まる。以前は、エースと呼ばれると、こそばゆいものがあった寺本だが、「その時には(背番号)1をつけたい」と強い思いを示した。理想とするエース像「監督にもチームメイトにも信頼されるピッチャー」に近づきつつある。

 

ピンチの場面でも顔色一つ変えない

 

 

(柚野真也)

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