3年生、夏物語2023 野球 プロ注目の右腕・松石信八(藤蔭3年)、9球で終わった最後の夏 【大分県】

2023/07/15
  • 高校野球

 1年の夏の県大会で146キロを計測し、注目を集めた。投手としての才能は高く、変化球はカットボール、チェンジアップ、カーブ、スプリットと全てがカウント球。今大会の前の練習試合ではブレーキのかかったスライダーがさえ、フォークとともに勝負球となっていた。「この3年間で一番いい状態だった」と手応えを感じずにはいられなかった松石。それだけに不完全燃焼の降板、そしてチームの敗退を受け入れるには気持ちの整理ができなかった。「情けない。涙も出ない」と試合後はぼうぜんとしていた。

 

 ネット裏のスカウト陣が一斉にスピードガンを向けたピッチングの他に、打者としての才能も評価されている。50メートル走5秒9、遠投115メートル。打って、投げて、走れる。トップバッターも、クリーンアップもこなす対応力がある。「自分で打って、自分で抑える」。投打で非凡な才能を発揮するはずだったが、高校野球の幕切れはあっけなかった。今後はプロを目指す。松石は「投手でも野手でも、声がかかればなんでも挑戦したい」と、さらなる高みへ決意を語った。

 

降板後は仲間のサポートに徹した

 

 

(柚野真也)

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