県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
高校野球 盤石の明豊が2季連続18回目の優勝
第150回九州地区高校野球大会県予選
決勝 4月5日 別大興産スタジアム
明豊 050 200 000|7
柳ケ浦 000 000 000|0
勝負の機微を感じ、巧妙に相手の急所を突く―。第150回九州地区高校野球大会県予選決勝は、明豊が柳ケ浦に快勝し、2季連続18回目の優勝を果たした。昨夏の甲子園で1回戦敗退後から新チームが始動し、秋の県選手権、九州地区高校野球大会県予選と続いた公式戦では県内無敗。「勝って反省できるチームになろう」と掲げた目標通りに、成長の階段を駆け上がっている。
今大会の決勝戦を終え、川崎絢平監督は「選手は今できることをやってくれた。結果には満足している」と振り返った。コロナ禍で対外試合がほとんでできない状況下で、部内の競争意識を植え付け、日頃の練習に緊張感をもたらした。
その成果は今大会で大きな手応えとなった。全5試合で先発投手が異なり、野手のポジションも固定しなかった。「試合勘がない中、徐々に感覚を取り戻した感じ。登録メンバー全員にチャンスを与え、『この場面では誰がどんな仕事をできるか』などが見極めたかった」(川崎監督)と今後の選手起用の判断材料になったようだ。
快進撃を続ける明豊
決勝戦は投打でソツなし。先発マウンドに上がった東家迅(2年)は緩急を織り交ぜた巧みな投球で凡打の山を築き、9回を4安打完封で三塁を踏ませない好投を見せた。「最初から(完封を)狙っていた。自信になったし、いいアピールができた」と先発候補に名乗りを挙げた。打線は二回に竹下聖人(3年)、矢野壮頼(同)の連続安打を口火に、相手投手の制球の乱れを見逃さず、ボール球を見極め5得点のビッグイニングをつくった。四回にも、出塁で相手の動揺を誘い、バントを絡めた攻撃で2点を追加して試合を決めた。
キャプテンの江藤隼希(同)は「相手のミスを突くことができたが、まだまだ点差を広げるチャンスはあった」と反省し、川崎監督は「記録上ではノーエラーで終わったが、記録に残らないミスはあった。夏の大会に向けてこれまで積み上げたものを確かなものにしたい」と23日から始まる九州大会に向けてギアを上げる。勝っても油断も慢心もなく、次の戦いに備える。「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」を実践している。
決勝戦で好投した東家迅
(柚野真也)