OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

塩塚

野球 野球

九州地区高校野球大会直前特集③ 夏に強い藤蔭が春先から好調

九州地区高校野球大会直前特集③ 夏に強い藤蔭が春先から好調

 “夏に強い藤蔭”の仕上がりが順調だ。3大会連続の全国高校野球選手権出場に向けて、収穫と課題を明確にしながら強化は進んでいる。九州地区高校野球大会県予選では、第1目標であった本戦出場を確実に決め、決勝までたどりつかなかったが、3位決定戦を含め5試合の実戦経験を積めた。「冬場の練習の成果をどれだけ出せるか試したかった。練習試合では思うような結果が出なかったが、選手は現時点の力を出してくれた」と竹下大雅監督。できるだけ多くの選手にチャンスを与え、持ち味を見極めた。

 

 収穫が多かったのは投手陣。エースの川崎太夢(3年)は、勝負どころとなった試合で先発の柱として試合をつくった。九州大会の切符の懸かった準々決勝の三重総合戦では、変化球を巧みに使い、凡打の山を築いた。「カットボールとスライダーが決まった。相手が初球から狙っていたのが分かったので、うまくかわせた」と、マウンドで勝負の機微を感じ取り、懸念材料であったスタミナも冬場の走り込みで克服。完投でチームの勝利に大きく貢献した。3位決定戦では四球が多く、早い段階での降板となったが、課題として受け止めている。

 

4番の原田琉成

 

 川崎に次ぐ2番手は、4投手が候補。準決勝、3位決定戦の2試合で全投手がマウンドに上がり、力試しができた。秋までエースナンバーを背負った川上優斗(3年)は本調子に至らないが、球質の重い、力のあるストレートが戻りつつある。竹下監督は「継投でつなぐ形になると思うが、調子のいい選手を使っていけばいい。駒が多いことは、連戦が続く夏を乗り切るためには必要」と、5投手で計算できるめどが立ったことを喜んだ。

 

 打線は原田琉成、中野翼の3年生が軸となる。藤蔭恒例の冬場の振り込みとウエートトレーニングでほぼ全員が増量し、スイングスピードが増した。「1日最低1000スイングで、打球のスピードと飛距離が伸びた」と中野。塁間を抜ける鋭い打球を飛ばし、得点につなげた。1番打者として出塁率にこだわるキャプテンの立山颯汰(同)は「今大会はピッチャーが粘ってくれた。九州大会では、接戦をものにできる粘り強さが必要。センバツ(選抜高校野球大会)出場校と対戦するのが楽しみ。自分たちがどれだけ通用するか試したい」と強い覚悟を示した。

 

復調の兆しが見えた川上優斗

 

 

(柚野真也)