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九州地区高校野球大会直前特集② 初戦敗退の悔しさをバネにはい上がった柳ケ浦

九州地区高校野球大会直前特集② 初戦敗退の悔しさをバネにはい上がった柳ケ浦

 新チームになって1回戦敗退が続いた柳ケ浦だが、九州地区高校野球大会県予選で見事にはい上がり準優勝。初戦の大分東に8−4で打ち勝つと、準々決勝の大分商業戦では投手陣が奮闘し、接戦をものにして本戦の切符を射止めた。野中宣孝監督は「勝つことによって選手は自信をつけた」と選手をねぎらった。

 

 チームの核となるのは捕手で4番の木戸達哉(3年)。タイプの異なる投手陣を強気のリードで引っ張り、打っては長打だけでなく、状況に応じて広角に打ち分けるチームバッティングで得点機を広げた。野中監督は、「ここで一本がほしい時の集中力は目を見張るものがある」と絶大な信頼を寄せる。決勝戦では延長十回、リードを許した状況で起死回生の同点本塁打を放ち、タイブレークに持ち込んだ。「塁が埋まっていなかったのでホームランは狙っていた。強い気持ちで打席に入れたのが良かった」と、力強いスイングが魅力の右打者の調子は上向きだ。

 

チームを鼓舞する木戸達哉

 

 投手は3年生の小橋川敬也に東江誠哉、県予選でエース格となった前田聖矢(2年)が見事な投球を披露した。ベストピッチングは準決勝の藤蔭戦。先発マウンドに立った前田は、9回を1失点で投げ抜いた。ストレートにスライダー、カーブ、カットボールと持ち球は多く、決め球のチェンジアップを有効に使ったことで「苦しい場面ではストレートで三振が取れるようになった」と手応えをつかんだ。

 

 キャプテンの淀川颯太(3年)は「自分たちは秋の大会で悔しい思いをした。勝てない時期があったからこそ、冬場の練習でみんなの意識が変わった」という。転機となったのは冬場の走り込み。「どこよりも走った」と、インターバル走を繰り返し、妥協しないことでメンタルが鍛えられたという。「県予選では冬場の成果が出た。やはり決勝で負けたのは悔しい。九州大会では、優勝なんて大きなことは言えないけど、一戦一戦を勝ち抜きたい」と語った。

 

 成長著しい前田聖矢

 

 

(柚野真也)