明豊高校センバツ準優勝特集① 川崎絢平監督インタビュー 新たな競争を生み出したい
- 高校野球
危機感が原動力
Q:選抜高校野球大会の収穫は?
守り。おおかたアウトにできるボールをアウトにして、堅実なプレーに徹してくれた。見えないミスは試合上であったのは確かですが、記録上は5試合ノーエラーで終えることができました。今年のチームは例年に比べて打てないので、守れないと勝てない。なのでキャッチボールのときから守りを意識してきた。守備が上手とかでなく、守れないと勝てないんだという意思統一みたいなものがあり、こういう結果になったと思っています。
バッティングも、ここで流れが来るという場面で一本を打てました。最後の試合は、そこで一本が出なかったから負けた。準決勝までの試合は、欲しいときの一本が出たから勝てた。そこが野球の難しさ。ここ一番でヒットが出るか、ここ一番でエラーを出さずに守れるか。大会を通してここ一番の場面では勝負強さを出してくれました。
Q:では、課題は?
ピッチャーの四死球。ノーエラーで終わったらそんなに点は取られないのに、無駄な四死球があるから失点になりました。最後の東海大相模(神奈川)戦で、相手はランナー2塁のとき、ヒットエンドランなど足を使って攻略し、糸口をつかもうというのがあった。膠着(こうちゃく)した試合で勇気を持って仕掛ける練習をしてきたのだと思いました。夏には大差の試合はないと思うので、ウチも、僅差でも思い切って仕掛けられるような準備をしないといけないです。
Q:24日から九州地区高校野球大会が始まります。
甲子園出場メンバーに活躍してもらわなければいけませんが、それ以外の選手の活躍も期待したい。ウチは飛び抜けた選手はいない。同じ力を持った選手の層が凝縮しているので、新たな競争を生み出したい。
多くの方に応援してもらい、期待をしてもらっているのは感じます。地元開催なので、ある程度結果にこだわらないといけませんが、夏に向けて逆算した大会にしなければいけない。選手起用などを練習試合で試すのは簡単ですが、レベルの高い九州大会で試して、そこで結果を出せば自信になる。試合に出ていた選手が危機感を持つようになれば夏に向けて強化できます。
Q:では最後に、選手に求めることは?
危機感。このままでは勝てないんじゃないか、春はメンバーに入ったけど夏は?という危機感を持ち続けてほしい。このチームの良さは素直さであり、危機感を原動力にしてきました。僕ら指導者が投げ掛けたことを吸収して、行動で返してくれる。1つ言うと3、4の答えが返ってくる。それがこのチームの強さだと思っています。
九州大会は「夏に向けて逆算した大会にしたい」と語った
(柚野真也)