2020県高校野球大会 古豪・津久見の優勝は新たな物語の始まりとなる
2020/08/04
- 高校野球
2020大分県高校野球大会
7月31日 決勝戦 別大興産スタジアム
舞 鶴 100 000 000|1
津久見 100 000 01×|2
県の独自開催となった2020大分県高校野球大会の決勝戦は、ノーシードの津久見が第3シードの大分舞鶴に2−1で競り勝ち、優勝した。
エースナンバーをつけた安部誠也(3年)が渾身のストレートで最後のバッターから三振を奪うと、マウンドに歓喜の輪ができた。津久見の選手の目には涙が光る。春夏通算18度の甲子園出場を誇り、1967年の春と72年の夏に全国制覇を果たした古豪が復活した。幼い頃から“野球の町”津久見で育ったキャプテンの薬師寺琳久(3年)は、「うれしい。黒と黄色のソックスに憧れた津久見で、新しい歴史をつくろうと思って3年間がんばった。最高の結果を残せた」と声を弾ませた。
津久見の野球に憧れ入学した林田夢大(2年)は、「3年生の思いを形にしたかった」と先発のマウンドに登った。初回に先制点を奪われたが、「頼りになる3年生がいるから1点は問題ない。ランナーを出しても1つずつアウトを取ればいい」と8回1失点で投げ抜いた。後輩の力投に3年生が燃えないはずがない。1−1で迎えた8回裏に新田悠起(3年)が右前打で反撃への口火を切ると、1死二、三塁の場面で3番・柳生翔真(3年)が2ボール1ストライクからスクイズを成功させた。「2ボールになったので監督ならスクイズだろうなと思った」と確実に転がした。藤丸崇監督は、「柳生なら必ず決めてくれる。大量点でなく1点取ればいいと思っていた」と手堅いスタイルを貫いた。
勝利を決めた瞬間、歓喜の輪が広がった