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2020県高校野球大会 大分雄城台のエース橋本が投打で活躍し、勝利の原動力に

2020県高校野球大会 大分雄城台のエース橋本が投打で活躍し、勝利の原動力に

2020大分県高校野球大会

7月19日 第1試合 2回戦 別大興産スタジアム

雄城台 013 000 000|4

中津東 000 100 000|1

 

 序盤に先制し、追加点をあげた大分雄城台。「少なくとも2点リードで前半を終わりたい」と考えていた釘宮啓彰監督にとって理想とする展開だった。「今日のオーダーはすべて選手たちに任せた。春に着任したばかりで意思疎通に不安な部分もあったが、選手たちに助けられた」。全幅の信頼を寄せて選手たちをグラウンドに送り出した釘宮監督。選手たちはその思いに応え、見事勝利をつかんだ。

 

 好投手を擁する大分雄城台と中津東だけに、投手戦になると予想されたが、試合は序盤から大きく動いた。二回、相手エースの制球の乱れを逃さず、永冨航希(3年)の適時打で先制。続く三回には、左腕エース橋本祐樹(3年)が1死一、二塁の緊迫した場面で、高めに浮いた球を冷静にたたき2点を追加。さらに上杉優貴(3年)のスクイズで1点を追加し、4-0とリードを広げた。

 

 序盤こそ制球の乱れに苦しんだ橋本だが、自身の二塁打でリードを広げた三回以降は、落ち着きを取り戻し抜群の安定感を見せた。その後も好投を続け、四回に1点を返されたものの、1失点の完投で今大会初勝利をあげた。

 

投打で活躍した橋本祐樹

 

 九回を投げ抜き、3安打2打点と投打で活躍を見せた橋本は、試合後に「打ったら自分も楽になる。流れをつくりたくて(打順は)5番に自分から名乗りを上げた。ミートは得意だし、昨年から体重も10㌔増えて飛距離が出るようになった」と打撃にも自信をのぞかせた。部活動休止中もシャドーピッチングや走り込み、素振りを続け、自分と向き合ってきた。投げてよし、打ってよしのエースが今大会、大分雄城台を勝利に導くキーマンになりそうだ。

 

 理想の流れで勝利を収めた大分雄城台だが、課題も見えた。試合後、キャプテンの工藤海翔(3年)は「上位打線が機能しなかった。今回はピッチャーと下位打線に助けられた」と反省を口にし、「次は打ってピッチャーを助けたい。(3回戦で戦う)佐伯鶴城には新チームになって勝ってないので雪辱を果たしたい」と決意を語った。

 

 佐伯鶴城は、昨年まで釘宮監督が指導していたチームでもある。手の内を知り尽くした元教え子たちとどう戦うのか。複雑な思いもあるが、3年生にとっては最後の大会。釘宮監督は、新たな絆を紡ぐ大分雄城台の選手たちと共に全力で勝利をつかみにいく。

 

初戦突破した大分雄城台

 

 

(柚野真也)