熱戦を彩ったヒーローたち②大分工業 夏の甲子園予選2019
2019/07/31
- 高校野球
熱戦が繰り広げられた第101回全国高校野球大分大会で
強烈なインパクトを放ったチームや選手たちを紹介する。
第3シードとして実力通りの戦いを見せた大分工業。準決勝で惜敗したが、春の県大会に優勝し、九州大会で1勝を挙げた古豪は、確かな足跡を残した。
初戦の柳ケ浦戦から4連投のエース日高翔太(3年)が躍動した。2回戦、3回戦は自慢の制球力で危なげないピッチングを披露。2試合連続完封勝利でチームを勢いづけた。準々決勝では救援を仰いだが、しっかり試合をつくったのはエースの自覚だ。
高校入学当初は遊撃手だったが、その年の夏から投手を兼務するようになり、昨夏にはエースナンバーを背負いマウンドに立った。「自分が点を取られなければ負けることはない」。そんな思いを抱いて毎試合マウンドに立つ。ボールを強く握り、指先で押し込むキレのあるストレートが生命線。顔色ひとつ変えずに冷静な投球でピンチの場面を切り抜ける。
準決勝は疲労が抜けきれず、本来の実力を出し切れなかったが、言い訳ひとつせず「大事なところで打たれたのは自分に力がなかったということ」と振り返った。「エースたるもの常に冷静であれ」と山本一孝監督の教えを守り、最後までエースとしての振る舞いを忘れなかった。「3年生25人と野球ができた。ベンチには入れなかったメンバーの声援が力になった」と3年間の思いを話した時に涙を浮かべたが、最後まで気丈に振る舞い球場を後にした。
4連投した日高翔太