エースが躍動、三重総合が完封勝利 夏の甲子園予選2019

2019/07/16
  • 高校野球

 雨の中の試合。コントロールとキレが生命線の左腕は、グローブを屋根としボールを濡らさず、滑り止めを入念に指になじませ最新の注意を払った。下半身と腕の振りで組み合わせ、調整するという最速134㌔と120㌔中盤、110㌔前半の“3段階のストレート”をコースに丁寧に投げ分ける。1回から中学の頃からバッテリーを組む井野紘希(3年)のミットをめがけて投げた。9回2死二、三塁の場面では相手の4番打者に「気迫で投げた」と渾身のストレートで三振に打ち取り、試合を終わらせた。大分舞鶴の花田修監督は、「高めに一度も浮かない投球もすごかったが、ここぞというときの集中力はさすが」と小倉を賞賛した。

 

 「泥んこ野球」を掲げる三重総合。この日は雨の影響もあったが、試合前からユニフォームは泥だらけ。攻守交代時に全力疾走する選手のひたむきな姿を見に球場に訪れるファンは多い。この日は地元の少年野球チームが応援に駆けつけ、「常に全力で戦う姿勢を見せたい」と約束した那賀監督。指揮官の思いは選手に伝播し、今大会こそトーナメントを一気に駆け抜ける覚悟だ。

 

校歌斉唱も体を反って全力で歌う三重総合

 

(柚野真也)

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