県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
エースが躍動、三重総合が完封勝利 夏の甲子園予選2019
第101回全国高校野球大分大会
7月14日 第3試合 2回戦 別大興産スタジアム
大分舞鶴 000 000 000|0
三重総合 000 000 10×|1
1年の頃から先発投手の一角として試合に出場し、昨年からはエースとしてマウンドに立ち続ける三重総合の小倉甲子郎(3年)。身長167cm、体重61kgの体は、投手としては恵まれたものではないが、抜群の制球力と度胸でチームを勝利に導いた。第3シードとして初戦を迎えた大分舞鶴戦、相手は投手3枚を擁する好敵手。「ロースコアになるのは分かっていた。自分がどれだけ粘れるかが勝負だった」と小倉。スコアボードに9回まで0を並べ、虎の子の1点を守りきった。那賀誠監督は「ベストピッチング。あんなに小さい子が頑張り、勇気を与えた。立派やわ」とエースを褒め称えた。
9回被安打4で完封。文句なしの投球でマウンドを躍動した。「1、2年生の頃は何も考えずにひたすら投げた」が、最終学年になりエースとしての自覚、責任が芽生えた。「自分が抑えなければいけない」との思いは強く、帽子のつばの裏に「誇り」と記した。ピンチの場面では汗をぬぐい、誇りの文字を見て「エースとして思いを背負って投げた」。
小さなエース小倉甲子郎が躍動
雨の中の試合。コントロールとキレが生命線の左腕は、グローブを屋根としボールを濡らさず、滑り止めを入念に指になじませ最新の注意を払った。下半身と腕の振りで組み合わせ、調整するという最速134㌔と120㌔中盤、110㌔前半の“3段階のストレート”をコースに丁寧に投げ分ける。1回から中学の頃からバッテリーを組む井野紘希(3年)のミットをめがけて投げた。9回2死二、三塁の場面では相手の4番打者に「気迫で投げた」と渾身のストレートで三振に打ち取り、試合を終わらせた。大分舞鶴の花田修監督は、「高めに一度も浮かない投球もすごかったが、ここぞというときの集中力はさすが」と小倉を賞賛した。
「泥んこ野球」を掲げる三重総合。この日は雨の影響もあったが、試合前からユニフォームは泥だらけ。攻守交代時に全力疾走する選手のひたむきな姿を見に球場に訪れるファンは多い。この日は地元の少年野球チームが応援に駆けつけ、「常に全力で戦う姿勢を見せたい」と約束した那賀監督。指揮官の思いは選手に伝播し、今大会こそトーナメントを一気に駆け抜ける覚悟だ。
校歌斉唱も体を反って全力で歌う三重総合
(柚野真也)