全国高校総体 柔道男子 春夏連続日本一を達成した吉村悠之介(柳ケ浦3年) 【大分県】

2024/08/14
  • 高校総体

 3月の全国高校選手権で優勝して以降、日本一になったプレッシャー、「勝って当たり前」という周囲の期待に押しつぶされた。さらに5月に左足首の靱帯(じんたい)を損傷し、結果が出ない時期が続き、自分の柔道を見失いかけた。6月の県高校総体では決勝戦で敗戦。「不甲斐ない試合をしてしまった」と、どん底を経験した。ただ、「(2位でも)開催地枠でインターハイに出られる」ことに幸運を感じ、「ピンチはチャンス」と開き直った。

 

 今大会の苦戦は想定内と内容は度外視し、勝つことだけに集中した。母は厳しい減量を支えてくれたが、応援に来たら負けるというジンクスがあったため、それを払拭したかった。どんなに仕事が忙しくても毎回試合を見に来てくれる父への感謝も結果で恩返ししたかった。決勝の畳に上がる前に両親や祖父母、妹、親戚らの顔が見えた。「やるしかない」と腹をくくった。僅差勝利となったが、石にかじりついてでも勝ち切る執念は見るものの心に刻まれた。吉村は「将来は日の丸をつけて戦いたい」と大きな目標を打ち立てた。

 

優勝が決まった瞬間に涙があふれた

 

 

(柚野真也)

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