ハンドボール女子 大分鶴崎 2枚看板を擁し、さらに攻撃的チームを目指す
- 春の全国大会
全国選抜に向けて強化する3つのテーマ
・大きなミスを減らす
・ディフェンスの強化
・チームワーク
ハンドボール強豪県として今年も男女合わせて3校が全国高校選抜大会(24~29日、埼玉県・千葉県)に出場する。男子は大分、女子は大分と大分鶴崎。九州大会では、男女ともに県予選で優勝した大分は苦戦を強いられたがきっちりと出場権を獲得。大分鶴崎は勝負強さを発揮して、3連勝で全国切符を手にした。
ここ数年、大分の後塵を拝してきた大分鶴崎だが、着実に力をつけていたことが証明された。春の全国中学生選手権、全国中学大会の2冠を達成した原川中学校のメンバー4人が昨年4月に加わり戦力アップ。チームはこれまでの堅守速攻から攻撃型のチームへと変貌した。
攻撃の核となるのがU—16日本代表に選出された石川空(1年)。入学当初からエースとしてチームを引っ張り、ゲームメーカーとスコアラーの二役を担う。石川に引っ張られるようにチームは攻守の切り替えの早いトランジションゲームを得意とするチームになった。
ただ、飛び抜けた選手がチームを引っ張るスタイルは相手にとって対策が練りやすい。石川が徹底マークに合うと攻撃が機能せず、チームの攻撃力は低迷した。新チームになってからは「ある程度の守備力をつけ、速攻から攻撃のリズムをつくれるチームにした」と梶原健監督。
さらに攻撃を担う石川の負担を減らすため、岩本里奈(1年)をセンターに据えた。梶原監督は「お前が変わればチームは変わる」と新司令塔に攻撃のタクトを振らせた。岩本は石川とともに中学時代に全国制覇した主力の一人だ。ハンドボールセンスに優れ、大きな期待と責任を負うことで自覚が芽生えた。
柱が2本になり、攻撃のバリエーションは増えた。他の選手も石川、岩本をサポートする意識が強くなり、誰かを抑えられたら機能不全に陥るようなチームではなくなった。「まだまだミスは多いし、改善の余地は多い」と梶原監督はチームの伸びしろに期待する。全国選抜大会では圧倒的な攻撃力で上位を目指す。
着実にステップアップし、全国大会の切符を手にした