
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
バレーボールの全日本高校選手権大会(春の高校バレー、来年1月5日)の組み合わせが決まった。女子の第3シードとなった東九州龍谷(東龍)の相原昇監督は、「シード校は初戦が重要。春の高校バレーは勢いがあるチームが勝つ。一発目から勝負」と気を引き締めた。今夏の全国高校総体、福井しあわせ元気国体で3位となったが、満足することなく、あくまでも目標は日本一だ。
注目は1年生の頃から試合に出ていた平山詩嫣、合屋咲希、梅津憂理、園田風音の3年生カルテット。キャプテンの平山は「自信を持ってプレーすれば結果はついてくる」と話し、園田は「見ている人が応援したくなるような最高のバレーを見せたい」と語った。3年生にとって高校最後の大舞台となる。「自分たちの代で日本一にならなければ意味がない」との思いは強い。
ピリピリするような緊張感が漂う練習からは、日本一を目指す集団の本気度が見て取れる。選手のボールを追う姿は鬼気迫るものがある。大会まで残り1カ月余り、このようなテンションが本番まで続くのか心配だが、練習が終われば気持ちの切り替えは早い。“やんちゃな学年”と呼ばれる3年生が学校生活やテレビドラマのことを楽しげに話す姿は、やっぱり女子高校生だ。
日本一に向けて練習は緊張感が漂う
この3年生の武勇伝は事欠かない。夏の厳しい練習の合間に寮の廊下で盛り上がったスイカ割り事件、先輩の目を盗みスイーツを食べた生チョコタルト事件などなど。バレーボールに真剣に取り組みながら、コート外でも楽しむことを信条とするこの学年は、これまでの東龍とは一線を画す。先日は練習前の体育のバスケットボールの授業で、接触をいとわないプレーの連続で周囲をヒヤヒヤさせた。「あれくらい本気でやらないと面白くない。おかげでいいアップができて練習も調子が良かった」と合屋は笑う。梅津は「ケンカも多かったけど最高の仲間と充実した3年間を過ごせた」と楽しそうに振り替える。
日本一を宿命づけられた強豪校で3年間、寝食をともにした仲間とともに最後の大会に挑む。意気込みを聞くと「全力で楽しんで気付いたら日本一になっていた。そんな大会にしたい」と梅津は答え、「3年間の醜態?を示したい」という合屋のボケに、園田が「集大成の間違いでしょ」とツッコミ、「すみません、合屋は何か一言足りないんです」と平山がフォローする一幕に思わず和まされる。しかし、ひとたび試合になれば冷静沈着。一人ひとりが自分の役割を全うし、勝利のためにプレーする。これまでの東龍にない一面を見たやんちゃな学年の有終の美を見届けたい。
3年生カルテットがチームを引っ張る
県予選決勝の記事はこちら→「東龍が貫禄の19連覇!」
(柚野真也)
地区を選択
学校名を選択