
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
高校バレーボール界最大のタイトルである全日本高校選手権大会(春の高校バレー)の県代表決定戦決勝が、4日に別府市総合体育館で行われた。3連覇を狙う別府鶴見丘と、夏の全国高校総体に出場した大分南との一戦は、別府鶴見丘が接戦を制し頂点に立った。
別府鶴見丘3—1大分南
(26—24)
(29—27)
(16—25)
(27—25)
6月4日の全国高校総体県予選で10連覇を大分南に阻まれた別府鶴見丘は、夏以降、復権を目指してきた。部室には「6・4あの日の悔しさを忘れない」と書かれたホワイトボードがあり、部員それぞれが春の高校バレー県予選でのリベンジに向けて課題を見つけ、ワンランク上のチームになるために努力を惜しまなかった。
この一戦のキーマンは平嶋麟太朗(2年)だった。大分南対策として決勝戦まで封印してきたローテーションは、平嶋を“エース対角”として絶対的エースの清田晟ノ祐(2年)の対角に配置するものだった。「2つのローテーションを考えていた。準決勝まで柿元(悠希=2年)や輿水(瑛龍=2年)は調子が良かったがローテーションを変えた」と丸山野涼介監督。決勝の大一番での2大エースとしての役割が平嶋の気持ちを奮い立たせた。強打のジャンピングサーブで相手の守備を崩し、前衛に入れば迷いなくスパイクを打ち続けた。
キャプテンとエースの二つの重責を背負った清田は、「緊張で筋肉が張ったのだと思う」(丸山野監督)。第1セットから右足がつり、かばいながらプレーを続けたが、第3セットに左足もつり、コートに立てない状況となった。エース不在の第4セット、相手が勢いづいた状況で平嶋が燃えた。「清田の代わりはお前がやれ」という指揮官の言葉に奮い立った。「アドレナリンが出まくった。何も考えず、自分のプレーに集中した」と仲間がつないだボールを打ち込んだ。平嶋の闘志がチームに伝染し、柿元、白井太陽(2年)、輿水も次々とスパイクを打ち込み、狙いどころが絞れない多彩で迫力のある攻撃でリードを広げた。
これまで清田中心のチームだったが、決勝の舞台で他の選手が持ち味を存分に発揮し、存在感を示した。コートに立ったのは1、2年生のみの若いチーム。今後の急成長が見込まれ、大きな可能性を感じるチームになった。平嶋は「春の高校バレーが楽しみ。爆発したい」と充実の表情だった。
清田晟ノ祐(2年)
「チームに迷惑をかけたので(第4セットの)最後は自分が決めなければと思っていた。今日は1セット目をしっかりとれ、次のセットも流れを渡さずに取れたのが大きかった。昨年は2回戦で完敗したので、ベスト8を狙いたい。今大会で体力のなさを痛感したので、春の高校バレーに向けて課題としたい」
輿水瑛龍(2年)
「とにかくうれしい。みんなで一丸となって戦えた。(6月の県高校総体で)大分南に負けた悔しさをバネにここまでやってきた。借りは返せた。春の高校バレーでは、今日みたいな鶴見のバレーをしたい」
平嶋麟太朗(2年)
「今日は周りが自分を生かしてくれた。エースが抜けたときは『清田の変わりはお前がやれ』と言われてアドレナリンが出まくった。不安はなかったし、全員で声を掛け合うことでひとつになれた。春の高校バレーでは爆発したい」
白井太陽(2年)
「3年生がいない分、自分たちが思い切ってプレーするだけだった。持てる力を全部出し切った。エースがいないときに攻撃のバリエーションで勝負できた。春の高校バレーも挑戦者として挑む。自分たちのバレーがどれだけ通用するか試したい」
木下草太郎(2年)
「一人ひとりが自分の仕事をした。練習から接戦になったときのシチュエーションを想定していたのでジュースになっても焦ることはなかった。(県高校総体のように)負けて悔しい思いはしたくない。あの悔しさは忘れられない」
柿元悠希(2年)
「1、2セットは20点目からの展開を想定した練習が生きた。昨年はベンチ外で同級生がコートでプレーするのを見ることしかできず、悔しい思いをした。自分にとって今回の春の高校バレーが全国デビュー。全国のレベルは分からないが、1、2年生のチームが勝ち上がれば注目されると思う。勝ちたい!」
木下福太郎(2年)
「苦しい試合だった。大分南の3年生の気迫に負けないように意識した。エース不在のときはコンビバレーがうまくいった。追いつかれても焦ることはなかった。春の高校バレーでは最低でも1勝。そこから来年につながる試合ができればと思う」
(柚野真也)
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