選手権に向けて夏の強化プラン② 苦しい時間帯こそ戦えるチームへと変貌する大分東明
- 冬の全国大会
全国高校サッカー選手権大会に向けて、夏の強化プランと題して、第15回大分西部高校サッカーフェスティバルに参加した高校の強化計画をチェックした。第2回は大分東明高校。
県高校総体後に新チームとしてスタートした大分東明だが、主力が2年生だったため骨格は変わらない。有村光史監督の目指す「試合の流れ、状況に応じてビルドアップするのか、長いボールを使ってエリアを稼ぐのか、“攻撃の矢印”を考えてプレーする」スタイルも変わらない。部員数は年々増加し、選手のレベルも高まりつつある。
練習では常にテーマを与え、選手には自分の意思を相手に伝えるように指示する。「例えば、右足でパスを受けたいのであれば相手に要求すべきだし、ピッチの中で意思疎通する必要がある」と有村監督。練習の合間に話し合う場面や、試合中でも選手同士が声を掛け合う場面が多く見られた。ただ、最近は「お互いに言いたいことは言うが、プレーが伴っていない」と課題も指摘する。
大分西部高校サッカーフェスティバルの大分西との試合では、前半をスコアレスで折り返し善戦したが、後半早々に失点するとピッチに不穏な空気が流れ、追加点を奪われると意気消沈する選手が多かった。有村監督は「『気持ちを切り替えてプレーしよう』『まだまだ、これから』といった声はあったが、戦えていなかった。味方のミスに対し指摘することも叱咤(しった)することもなかった。本当に勝ちたいという思いがプレーに出ていない」と悔しさを露わにした。
運動量が落ちる試合終盤、勝負どころで簡単に失点する。「緊張感を持って1試合を集中して戦えるチームにならないといけない。体を投げ出してでも相手のシュートを止める。そんな選手を育てたい」と有村監督。この夏は県外の強豪校と真剣勝負の場を設け、戦うチームへと変貌を目指す。
有村光史監督の下、着実な成長を見せている