選手権に向けて夏の強化プラン① 潜在能力を引き出し、過去最高のチームを目指す大分西

2018/08/20
  • 冬の全国大会

 県高校総体を終え、主力の3年生が部活を引退し新チームとしてスタートした高校もあれば、3年生最後の公式戦となる全国高校サッカー選手権大会に向けてチーム一丸となって突き進む高校もある。置かれた状況はさまざまだが、“ひと夏”を越すことでチーム力は激変する。夏の強化プランと題して、第15回大分西部高校サッカーフェスティバルに参加した高校の強化計画をチェックした。

 

 昨年、全国高校選手権大会に初出場した大分西は、大舞台を経験した選手が新チームの屋台骨となった。しかし、県新人大会、県高校総体では上位に進めず、不完全燃焼で終わった。“選手権燃え尽き症候群”とまでは言わないが、チーム全体に満足感が漂っていたのは否めない。また、3年生は国立大学への進学志向が強く、18人中15人が6月の県高校総体を最後に部活を引退した。

 

 首藤啓文監督は「今まで作ったものを1から作り直す作業となった」と落胆したが、表情に悲壮感はない。「経験の少ない1年生が貴重な体験ができる機会としたい」と県外の強豪校との試合が組まれた大分西部高校サッカーフェスティバルでは1年生を積極的に起用した。

 

 どのポジションも前チームに比べると見劣りするが、伸びしろを感じる。左サイドでプレーする佐藤拓真(1年)はその代表だ。フットサル仕込みの足裏を使ったドリブルでチームに推進力を与え、抜群のボールキープ力で味方の攻撃を促す。県高校総体で出場機会を与えられなかった河野永耀(2年)も大きな可能性を秘めている。元々、能力の高い選手であり、球際や守備面での不安を補って余るほどの攻撃力に磨きがかかった。長短の正確なパスとプレースキックはチームにとって大きな武器となる。

 

 チーム全体としては、大分西のサッカーの特徴である「意図の見えるパス」ができていないが、今夏の練習、対外試合を通して昨年と同レベルにまで達する予感はある。今年のチームテーマは「PRELUDE TO MASTERPIECE〜西高傑作への序曲〜」。高校サッカー最高峰の全国高校選手権大会を経験したメンバーに新たな力が加わり、過去最高チームへの序曲が始まる。

 

攻撃の中心選手として期待の高い河野永耀

 

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