春の高校バレー県予選 女子 苦しみながらも王者の貫禄示した東九州龍谷【大分県】
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第77回全日本バレーボール高校選手権県代表決定戦
11月3日 レゾナック武道スポーツセンター
女子決勝
東九州龍谷3(25-21、24-26、25-18、25-20)1大分商業
11年連続同じ顔合わせとなった春の高校バレー県予選の女子決勝戦は、東九州龍谷(東龍)が苦しみながらもセットカウント3-1で大分商業に勝利し、25年連続40回目の優勝を果たした。
1セット目は激しい打ち合いとなった。東龍は「世代ナンバー1」と評される忠願寺莉桜(1年)や藤崎愛梨(2年)だけでなく、初めてレギュラーに抜てきされた鎌倉詩織(1年)が躍動したが、粘る大分商業を引き離せないまま25-21で辛勝。2セット目に入ると序盤からリードを許す展開が続き、24-26で落とす。東龍が現メンバーになって県大会でセットを落とすのは初めて。細かいミスが目立ち、大分商業の勝ちへの執念、3年生の思いにのまれる形となったが、3セット、4セット目は気持ちを切り替え、辛くも逃げ切った。
全国高校総体で3位、天皇杯・皇后杯全日本選手権大会の九州ブロックラウンドで大学勢を連破して本大会の代表権を手にするなど順調に歩みを進めていた今季。国スポの初戦敗退、今大会の辛勝の影には慢心や気の緩みがあったことは否めない。相原昇監督も「大分商業さんの純粋さ、一生懸命さがウチには足りない。3年生の思いも相手の方が強かった。今日の試合で思い知ったんじゃないかな。そういった意味では今回の(苦しんだ)勝ち方は良かった」と冷静に試合を振り返った。
もちろん、マイナス材料ばかりではない。現チームでは忠願寺や、アジアU16でベストセッターに選ばれた吉村はぐみ(1年)が注目されがちだが、初のレギュラー抜てきというプレッシャーの中で得点源として大活躍した鎌倉、リリーフサーバーとして要所でチームに貢献した福田結衣(同)など下級生が大きな輝きを放った。
ポテンシャルは忠願寺や藤崎に匹敵すると言われる鎌倉の母親は、相原監督が前任の高松北(香川)で指導していた頃のエース。教え子に娘を託された監督が今後どう育てていくのか。ストーリーのある選手としても注目が集まる。
3年生にとっては最後の日本一のチャンスとなる、春の高校バレーまで残りわずか。大分商業はじめ、大分県の高校生バレーボーラー全員の思いと、女王の誇りを胸に、全力で走りきる。
新戦力となった鎌倉詩織