グッドルーザー(3) バレーボール女子 大分商業 10年連続で絶対王者に阻まれる 【大分県】

2023/11/19
  • 冬の全国大会

 試合後、悔し涙を流した選手たち。しかし、キャプテンの猪原悠莉明(3年)の表情は明るかった。「悔いはない。やり切った結果」と言い切った。ケガをして思うようにプレーできない時期もあった。チームをうまくまとめられず、キャプテンをやめたいと思ったことも一度や二度ではない。攻守の要としてチームを引っ張るプレッシャーとも戦った。決して楽な3年間ではなかったが、「このメンバーでここまで来れたことを誇りに思う」と胸を張り、「来年は絶対に勝ってほしい」と後輩へ思いを託した。

 猪原と共にチームを引っ張ってきた佐藤実紗(同)も「今まで苦しいこともたくさんあったけど、今日、ここに立つことができてよかった。支えてくれた人にありがとうと伝えたい」と涙にぬれたまま笑顔を作り、前を向いた。

 

 3年生は、これまで新型コロナウイルスの感染拡大で棄権敗退を経験するなど苦難を乗り越えてきた世代だ。森監督の「苦しい中でチームを引っ張ってくれた3年生には感謝しかない。彼女たちが残してくれたもの、思いを次の代につなげていきたい」という言葉からもその頑張りが伝わってくる。

 思いを託された1、2年生には今大会、高い精度でスパイクを決めた次代のエース野中美空(2年)のようにポテンシャルの高い選手が多い。メンタルの弱さなど課題もあるが、野中の「今日の悔しさをバネに来年は絶対に勝つ」という思いの強さは全員に共通するものだ。打倒東龍を目指し、さらなる高みへ駆け上がってくれるに違いない。

 

最強の挑戦者として臨んだが、ストレート負けで終わった



(甲斐理恵)

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