柳ケ浦高校 原田涼平 一度もサッカーをやめたいと思ったことはない

2017/10/23
  • 冬の全国大会

 ガッツあるプレーの源は、毎日欠かさず行うという自主練。「筋トレや体幹トレーニングを誰よりもやっているという自信がある」というが、たとえそう言われなかったとしても、練習着からのぞく筋肉が日々の努力を物語っている。大好きなサッカー選手は長友佑都。サイドバックを任されてからというもの、長友選手の食事やトレーニングなど、すべてを手本にしているという。

 

 普段はまったくハンディキャップを感じさせないし、周囲も気にせず彼にぶつかっている。しかし、つい最近、高校卒業後の進路に悩み、自ら障がいを理由に弱音を吐いてしまった。それが心に引っ掛かり、サッカーができない状態に陥ってしまったという。そんな彼の窮地を救ったのは、やはり野口監督の言葉だった。「お前はチームのためにプレーできるし、よくやっている。特別扱いして試合に出しているわけじゃない。出られない仲間のことも考えろ」。涙が止まらなかった。

 

 全国高等学校サッカー選手権大会(選手権)大分県大会を前に、「いろんな人が注目してくれているし、応援してくれている。ぶつかってくれた仲間や支えてくれた親に恩返しする気持ちで、一生懸命戦いたい」と、屈託のない笑顔を見せながら、その目はしっかりと前を見据えていた。自分を信じて、プライドを持って挑んだ高校最後の選手権。残念ながら柳ケ浦は初戦で敗れたが、原田のサッカー人生は終わったわけではない。「指導者になるのが目標」と話していた彼の今後の活躍が楽しみだ。

 

 

(冨松智陽) 

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