総括 ウインターカップ大分県予選

2017/10/03
  • 冬の全国大会

波乱のトーナメントを制した柳ケ浦

新興の藤蔭が旋風巻き起こす

 

 高校バスケットボールの1年を締めくくる、最後にして最大のタイトルである全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の県2次予選が9月30日、10月1日に行われた。

 3年生最後の公式戦にふさわしく、3年生を中心としたチームが順調に勝ち進んだ。男子は柳ケ浦、女子は中津北が優勝し、12月23日から東京で開催される本大会に出場する。

 

 男子決勝は戦力が充実している第2シードの柳ケ浦と、ノーシードながら爆発的な攻撃力で勝ち進んだ藤蔭が対戦した。準々決勝で前回覇者の第1シード大分舞鶴を破り、準決勝も古豪・日田に競り勝った藤蔭は勢いそのままに、試合開始からフルスロットルで得点を重ねた。創部2年目の藤蔭は、全国大会を7度制した西塚建雄監督がチームを作り、部員も名伯楽を慕い全国から集った。攻撃権が移ってから「6秒以内にゴールを狙う練習をしてきた」と西塚監督が話すように、攻守の切り替えの速いトランジション・ゲームで得点を重ねた。

 

藤蔭の制空権を確保した朱思遠(3年)

 

 一方、初戦からベンチメンバー15人全員にプレータイムを与え、決勝戦まで調整してきた柳ケ浦は万全だった。慌てることなく柔軟に守備システムを変更して対応した。藤蔭のエース森川凌(3年)に対し、守備が得意な小柳優也(2年)を徹底マークさせることもあれば、2−2−1のゾーンディフェンスで相手のミスを誘うなど相手に主導権を与えなかった。特に藤田恵吾、児玉倫、儀間晴多の3年生バックコート陣の外角からのシュートが要所で決まった。「ウチは誰が出ても戦力が変わらないのが武器」と中村誠監督が鍛え上げた選手は、相手の体力が消耗する試合終盤に一気に畳み掛ける監督のプランを遂行した。藤蔭の粘りは想定外だったようだが、「延長戦までもつれるとは思わなかった」(中村監督)と最後まで続いたシーソーデームを制し、4年ぶりの栄冠に輝いた。

 

チームの精神的支柱でもあった藤田恵吾(柳ケ浦3年)

 

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