ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 バスケットボール女子 大分、つなぎ世代と呼ばれた3年生の有終の美
- 冬の全国大会
大分が新しい次のステージに踏み出した。全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に初出場し、2回戦で明秀学園日立(茨城)に64-67で惜敗。楠本哲二監督は「ここまで良くやった感はある。(2回戦で)負けはしたが、サイズの小さなチームがよく戦った」と、持てる力を出し切ったことを語った。初戦に勝利し、全国大会白星スタートとなった翌日の2回戦。全体のサイズが大分よりひと回り大きく、フィジカルコンタクトの強い相手に、リードする時間は長く続いた。逃げ切りを図った第4クオーター半ばまでプラン通りに試合を運んだが、最後は相手のパワーに押し込まれて逆転を許した。キャプテンの後藤楓花(3年)は「最後に相手に流れが行って押し戻せなかった。ベンチから声を出すことしかできなかったことが悔しい」と涙を流した。
大分中学に女子バスケ部ができたのが2015年。その3年後に高校にも創部し、中高一貫で強化してきた。2期生となる3年生は、1期生を支え、最上級生になってからは下級生の突き上げがあり、ベンチで過ごす時間が多かった。後藤は「悔しい思いをした。他の高校のキャプテンはスタートから試合に出て、チームを引っ張っているのに、それができなかった」と振り返る。それでもウインターカップでは、チームが苦しい場面でコートに立ち、泥くさいプレーもいとわず、体を張ってチームを鼓舞した。初戦の福島東稜戦では悪い流れを断ち切り、明秀学園日立戦でもコートに立ったが、相手の肘が腹部に入り、無念の交代を強いられた。コートに立った時間は2試合で8分足らずだが、チームのためにプレーする姿は後輩の目に焼きついたはずだ。「全国大会に出て、(高校バスケを)終えることができてうれしい。みんなにありがとうと伝えたい」と感謝の言葉を口にした。