敗者の涙⑥ 全国高校サッカー選手権大会県予選 大分 大一番で露見した勝ち切れないもろさ

2020/11/23
  • 冬の全国大会

 7月の高校総体の決勝戦もリードを守り続けることができず、延長戦で力尽きた。「あんな思いはしたくない」(堤)と、ひと夏を越え、九州の強豪校と練習試合を重ねて力をつけたはずだった。ボールは回せるものの、連動性に欠き、効果的な縦パスが入らない。守備では前からプレスを狙うが、思うようにハマらない。何とか点を取ろうと堤任せになり、ロングボール一辺倒になる。堤は「同点になってから何度かあったチャンスを外してしまった」と自分を責めた。

 

 今年のチームは例年に比べ小粒。「期待されていないのは分かっていた。だからこそ自分たちらしさを出して、結果で見返したかった」。これは3年生全員の思いだった。課題であったリードしてからの試合運びに悔いが残った。それ以上に、大一番で自分たちの強みであるパスワークが披露できず、リスクを意識し過ぎて単純に前へボールを蹴ってしまったことが大きな問題だった。そして結局は、数度のチャンスを決める力もなく…。

 

 どんな苦しい状況でも平常心で正しい選択をしてプレーする。それには日々の積み重ねが必要で、練習からやり切らないといけないことだ。「まだまだ足りなかったということ」と涙した堤は、この悔しさを次のステージの糧とする。1、2年生は、これまでの甘さを払拭する機会となったはず。大一番で自分たちのスタイルを出し切れる選手、チームになるために、もう一度立ち上がる。

 

3連覇まであと一歩及ばなかった

 

 

(柚野真也)

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