敗者の涙⑥ 全国高校サッカー選手権大会県予選 大分 大一番で露見した勝ち切れないもろさ

2020/11/23
  • 冬の全国大会

 澄み切った秋の空に試合終了を告げるホイッスルが響きわたる。次の瞬間、初優勝を決めた日本文理大学付属の選手も、あと一歩及ばなかった大分の選手も、相次いでピッチの上に倒れ込んでいく。その光景が、この日の激闘を物語っていた。全国高校サッカー選手権大会県予選決勝。3連覇を目指す大分は、新チームとなり県高校新人大会、県高校総体と無冠に終わり、負けられない試合だった。

 

 序盤は“舞台慣れ”している大分ペースになるはずだったが、日本文理大学付属は初の決勝でも物おじすることなく、強い守りと個人の能力を最大限に生かした攻撃で大分ゴールを脅かす。劣勢が続いた大分だが、前半11分に前園陽人(2年)のシュートのこぼれ球を堤聖司(3年)が流し込み先制を奪う。ここで流れを変えたかったが追加点のチャンスに決めきれず、31分に追いつかれる。後半開始直後の3分に再びリードを奪ったが、勝ちたい思いより、逃げ切りたい思いが強かった。「守りに入ってしまった」と堤は悔やむ。

 

2度リードしたが勝利は遠かった

 

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