
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
2月の県高校新人大会で5年ぶりの優勝を果たし、古豪復活を印象づけた大分工業。全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の男子県予選準決勝では、王者奪還を目指す別府鶴見丘と対戦し、セットカウント2−0で勝利した。
江崎裕之監督が「やってきたことを全て出せた」と話すように、大分工業らしい“粘り”が随所で発揮され、甲斐優作や草野好貴の2年生スパイカーが躍動した。第2セット中盤、意地を見せた鶴見丘にリードを許す場面もあったが焦りはなかった。「自分たちのプレーをすれば勝てると分かっていた」(加嶋祐汰・3年)。
出場しない選手も大きな支えになったという江崎監督。「ここにくるまで特に3年生が頑張ってくれた。コートに立つ選手は少ないが、審判をしたり、雑巾掛けをしたり。そんな先輩に恩返しをするために1、2年生が奮起した。それが一番の勝因」。決勝戦に向け部員35人全員の力を合わせ、追い続けた「夢」をつかみ取る。
前大会の覇者・大分南は鶴崎工業をセットカウント2−0で下した。第1セット中盤までは勢いのある鶴崎工業に苦戦。点を取り合うシーソーゲームの様相を見せたが、尻上がりに調子を上げ、第2セットになると終始リードを保ち、危なげなく勝利を収めた。
しかし、春の高校バレー経験者が半数以上を占めるチームにとって、決して満足できる内容ではなかった。二枚看板であるキャプテンの羽田野拓実(3年)と城井隆匡(3年)は要所で鋭いスパイクを決めるなど見せ場をつくったが、チーム全体の動きは硬く、ミスも目立った。試合後、柿原茂徳監督は「(今日の試合は)40点か50点。1年生が緊張したのは仕方ないが、3年生もそれに引っ張られてしまった」と厳しく評価し、羽田野も「メンタルがもろい。1年生を3年生がフォローできなかった」と反省を口にした。決勝までの期間でメンタル面の強化、充実を図るつもりだ。
柿原監督は「大分工業は強い。うちは春高を経験しているのが強みだが、挑戦者として臨みたい」と謙虚に語り、「両エースがやってくれるはず」と決勝を見据えた。
大分南 羽田野拓実(3年)
2002年6月18日、アウトサイドヒッター、178cm、70kg、緒方中学校出身
準決勝を終えての感想は?
内容はあまり良くなかった。試合経験が少ない1年生を3年生がフォローしてあげることができず、全体的にうまくかみ合わなかった。メンタル面のもろさを感じたので、決勝までに改善する必要がある。
連覇まであと一歩。プレッシャーはありませんでしたか?
連覇は意識していない。それよりも県新人大会のリベンジを果たしたいという思いが強い。プレーで貢献するだけでなく、みんながやりやすいよう、雰囲気を盛り上げることが自分の役目だと思っている。
決勝戦への意気込みを聞かせてください。
大分工業には絶対エースと言える存在がいないので、一旦崩れるともろい。そこを突いていきたい。勝つために必要なのは自信。いい攻撃もいいレシーブも自信がないとできない。決勝までの間「自分たちはやれるだけやった、だから大丈夫」と思えるような練習に取り組みたい。
(甲斐理恵)
大分工業 加嶋祐汰(3年)
2003年2月26日生まれ、セッター、166cm、64kg、大分西中学校出身
準決勝を終えての感想は?
練習では拾えないボールも拾い、つなげ、得点につなげることができた。ベンチ、応援席が一体となって雰囲気をつくってくれたおかげ。(新型コロナウイルスの影響で) 声が出せない中、太鼓や動きで盛り上げてくれ、本当に感謝している。
2セット目でリードされる場面がありましたが、焦りはありませんでしたか?
自分たちのプレーをすれば勝てると確信していたので、焦りはなかった。そう言えるだけの練習をしてきたつもり。ただ、周りは焦っているのが分かったので、落ち着くよう声を掛けた。
決勝戦への意気込みを聞かせてください。
現在のメンバーが決勝の舞台に立ったのは(県新人大会の)1度だけ。春の高校バレーに出場した大分南に比べて経験は劣るかもしれないが、今日見えた課題をクリアして、万全の体制で決勝に臨みたいと思う。もちろん勝つ!
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