これまではフィジカルトレーニングと個人戦術の強化を重視し、現在はプレーオフ進出が佳境を迎える３巡目に向けて、チーム戦術の強化を進めている。戦力と戦略の大幅な変化はないが、復帰を果たした仁部屋和弘は、ピヴォ当てに偏った攻撃にアクセントを加えそうだ。

　仁部屋は、ドリブルと得点感覚という武器を持っている。半年ほどのブランクがあり本調子にはほど遠いが、コンディションは徐々に良くなってくるはずだ。また、２巡目に入ってから出場機会が少なくなったキャプテンの上福元俊哉は、練習から積極的にアピール。「大暴れしたい」と、相手を背負った状態から繰り出す得意の反転シュートに磨きをかけている。

　課題は、攻勢に出ているときは良いものの、受け身になったときに露呈するもろさ。接戦での勝負で競り勝てない。「この差が上位との小さくて大きな差なのかもしれないが、突き詰めてやるしかない」と伊藤監督。プレーオフ進出を目指すためには、僅差の試合をものにする勝負強さを身につけたいところ。

　いずれにしても、チームの方向性はブレておらず、選手個々の質を上げていきたい。「負けた試合は自分たちに隙があった。マークのズレであったり、細かいところを修正することで、僅差の試合を勝てるようになるはず」（上福元）。残りの２巡目の試合では、勝ち点を手繰り寄せるようなしたたかな戦いをして、勝負の３巡目につなぎたい。

復帰した仁部屋和弘の活躍が期待される

（柚野真也）