OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

トキハ

サッカー サッカー

高木駿 攻めのGK、積み上げた自信は揺るがない

高木駿 攻めのGK、積み上げた自信は揺るがない

大分合同新聞社サンクスデー企画(3)

 

 キープレーヤーに焦点を当てた「大分合同新聞社サンクスデー」のオー!エス!企画の最後はGK高木駿。今季、躍進した選手の一人だ。ここまでリーグ戦40試合全て先発フル出場し、大分トリニータの守護神としてゴールを守り抜いている。

 

 2017年、トリニータに加入し、その年の開幕戦はゴールマウスに立ったが、GKがフィールドプレーヤーと同じように攻撃を組み立てる戦術の理解に苦しみ、4試合だけの出場に終わった。しかし、試合に出られなかった期間は無駄ではなかった。ピッチの外から試合を見て、課題を見つけて練習で試す。何度も繰り返したルーティンが“奥行き”を広げた。

 

 「パスを受けて、どこを見て、どこが空いているのかが分かるようになった。初めは自分と近いポジションの選手しか見えなかったが、今では最前線の選手からサイドの選手まで見ることができるようになった」。元々、足元の技術が高く、キックの精度の高い選手だ。「このサッカーは面白い」と話すようになったのは、今季のリーグ戦序盤からだ。実際に試合に出て、これまで積み上げてきたことを試し、課題を見つけては修正する。このトライ&エラーが高木を攻撃的GKへと変貌させた。

 

トリニータのサッカーは面白いと話す高木駿

 

 相手のクロスボールに果敢に飛び出し、弾き返す。今季は高木の好セーブで勝利した試合が数多くある。反対に積極性が裏目に出て失点に絡んだこともある。それでも「挑戦しなければ成長はない」と下を向くことはなかった。丁寧な攻撃の組み立てを志向しながら、パスに食いついた相手の逆を突けば活路が開ける。相手の目先を変えるような背後への大きな展開も取り入れる。パサーならいざ知らず、相手を引きつけて慌てずにパスを回せるGKは数少ない。GKができることの幅が広がればチームの幅が広がると、高木は楽しんでいる。

 

 残り2試合。「42試合分の1なのは変わらない。僕らがずっとボールを持っていれば相手は攻めることができない。いつも通り戦うだけ」。高木の言葉から、自分たちのスタイルに対する揺るぎない自信が感じられた。失敗と成功を繰り返し、時間をかけて築いていったものは、簡単に崩れることはない。

 

フィールドプレーヤーの一人として攻撃も参加する

 

過去の記事はこちらから

大分合同新聞社サンクスデー企画 (1)三平和司

大分合同新聞社サンクスデー企画 (2)丸谷拓也

(柚野真也)

大会結果