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三平和司 勝利を導くゴールで自身3度目の昇格を狙う

三平和司 勝利を導くゴールで自身3度目の昇格を狙う

大分合同新聞社サンクスデー企画(1)

 

 前節の横浜FC戦で1−3の逆転負けを喫し、首位を明け渡した大分トリニータだが、優勝というターゲットはいまだ射程圏内にある。残るは2試合、対戦相手の金沢、山形には、前回の対戦では負けていない。勝点6を期待したいところであり、チームとしても良いイメージを持って臨めることは確かだろう。追う立場となり肩の荷も下り、普段通りのサッカーができるはずだ。

 

 今季のトリニータの特徴は、なんといってもリーグ最多の得点数を誇る攻撃力にある。キャプテンの馬場賢治が「今の順位にいるのはチームとしてこれまで積み上げてきた結果。自分たちがやってきたことは間違いではない」と話すように、チームの戦い方にブレがない。GKを含めた後方からの丹念なボール回しで攻撃を組み立て、相手のほころびを突く。このスタイルの実現に欠かせないのが三平和司、丸谷拓也、高木駿らである。

 ホーム最終戦「大分合同新聞社サンクスデー」のオー!エス!企画として、3人のキープレーヤーに焦点を当てた。

  

 トリニータの昇格にこの人あり。2012年のJ1昇格、2016年のJ2昇格の原動力となった三平和司。昇格した過去の2シーズンは2桁得点を挙げ、チームの勝利に貢献した。今季も2桁得点を達成しており、残り2試合のプレッシャーのかかった状況でゴールを狙う。

 

 「今季リーグ前半はほとんど試合に出ていないので結果を出さないとね。試合に出られない時期はしんどかった。腐らず、人のせいにするのではなく矢印を自分に向けた」。ベンチにも入れない時期もあったが、コンディションを整え、チャンスを待った。潮目が変わったのが26節の岐阜戦だった。5戦未勝利のチームが1トップ2シャドーから2トップにシステムを変更して出番が巡ってきた。「ここで結果を出さなければ今シーズンは終わる」という覚悟で臨んだ試合で得点し、猛アピール。そこからコンスタントに試合に出場できるようになった。

 

3度目の昇格に導く三平和司

 

 三平は後藤優介や藤本憲明のような点取り屋ではない。前線で試合を組み立てるチャンスメーカーであり、得点も奪える器用さがある。守備時には相手の攻撃を遅らせるために前線からの守備はいとわず、ボール保持者からボールを奪うためにプレスバックし(戻ってきて)、挟み込むようにプレッシャーをかける。結果が分かりやすい得点、アシストに現れない仕事ができる。

 

 今季は試合ごとに前線の3人を組み替え、対戦相手に応じて起用してきた。その結果が、藤本、馬場、三平、後藤と4人の2桁得点者を出した。リーグ最多得点のチームは、誰かを抑えれば得点を防げるようなチームではなくなった。残り2試合、途中交代を含め、前線の最適な組み合わせを見つけることができれば勝点6を奪うことは可能だ。その核となるのが三平であることは間違いない。三平が得点した8試合全て白星というポジティブなジンクスもある。今節の金沢戦でのゴールに期待したい。

 

コンディションを整え、今節もゴールを狙う

 

(柚野真也)