トリニータ 真面目さが裏目に… 秩序のある自由が必要

2021/05/14
  • 大分トリニータ

 5節から7連敗―。12節清水戦に勝利して連敗は止まったが、13節湘南戦で再び黒星を喫す。序盤戦から大分トリニータは想定外の事態に直面することになった。今オフに主力が抜け、新加入の選手に戦術が浸透しきれずにいる。在籍9年目、片野坂知宏監督が指揮した2016年からチームの移り変わりを見てきた松本怜は、「自陣深くでボールを動かすが、(昨季までのように)パスが回ってこない。効果的なパスが出せないから苦し紛れのロングボールが多かった」と分析する。ゴール前までボールが届かず、シュート数が2桁を超えたのは2得点した11節の浦和戦のみ。試合数にバラつきはあるが、前節までの総得点はワースト2位タイの8得点。決定機が少なく、ゴールネットを揺らせない場面が目立った。そのうえ、守備でも踏ん張れず、無失点の試合はここまで1試合。攻守の歯車がかみ合わなかったことが、この低迷を招いた。

 

 片野坂監督は苦悩していた。「選手たちは狙いを持ってプレーしているが、勝てないのは自分の力のなさ」としつつ、こう続ける。「戦術に捉われ過ぎている。選手が迷いなくプレーできるようにしなければいけない」。指揮官は、監督に就任して6年目の今季も同様に、熱いコーチングで選手たちを鼓舞し続けている。そして、選手たちもそれに応えるために真摯(しんし)に練習に取り組んでいる。居残り練習をする者も多く、誰もがこの状況を抜け出そうともがいていた。

 

勝利を求め練習にも熱がこもる

 

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