書道 一筆入魂 高橋萌(大分国際情報3年) 【大分県】

2023/09/28

 それからは毎日筆を持った。基礎となる横画(横線)を書き続ける。まずは練習量をこなす。それは自身の歩みから得た教訓だ。「基礎があって応用ができる。ハンドボールと同じだと思った」と、部活で2時間、帰宅後に2時間の基礎練習を1年間続けた。その後も自分のペースで黙々と書に打ち込む姿勢は変わらない。納得できるまで書き続け、突き詰める姿はアスリートそのもの。練習の虫は、紙に筆を下ろす書き始めにこだわる。「書き出しがいいと全ての構図の収まりがいい」と一筆入魂した。

 

 努力のかいがあり、これまで多くの作品が評価された。ただ、スポーツとは異なり、書道は審査員の好みや価値観によって結果が変わる。高橋は「自分が納得できた作品が賞を取れないこともあったが、結果が全てだと思っている。見た人が評価する以上、どんな人が見てもすごいと思える作品を書き続けたい」と話す。奥深き書の世界は刺激が多いようで、「街を歩いているときに目に入る文字を、『あの書体は何かな』などと考えるようになった」と笑う。

 

 

 全日本高校・大学生書道展では大賞を受賞した

 

 

(柚野真也)

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