7人制ラグビー日本代表 ストイックにパリ五輪を目指す薬師寺晃(大分舞鶴高校出身) 【大分県】

2023/07/04
  • ターニングポイント~つきぬけた瞬間~

 「(15人制との)常識が全然違う」と最初は戸惑いばかりだった。キックよりパスが多く、前を向いたときの視野が全然違う。スペースがあるようで、ない。日本代表の強化合宿に呼ばれるたびに、何もできずに落ち込むことが多かったようだが、ストイックな男は動画や本などあらゆる知識を埋め込み、イメージを膨らませるなど「猛勉強した」。「成功に近道はない」を地で行く薬師寺はトライ&エラーを繰り返すことで徐々に感覚をつかめるようになり、視界がクリアになった。「努力なんて思ったことがない。目の前の壁を乗り越えるために、当たり前のことをしたまで」

 

 昨年は7人制の日本代表のコアメンバーとして世界を転戦した。ポイントゲッターとしてラインブレイクから独走してトライを決める場面が増えた。多少のけがはあったがほぼ1シーズンを通してプレーでき、結果を残したことで「戦える手応え」を十分得た。日本代表で欠かせない存在となったが、「極度のマイナス思考な男」でもある薬師寺に慢心はない。「不意のけがは避けられないが、筋肉系のけがなど、十分なケアや食事などで回避できることはある。常に最善の準備をして備えたい」と、ストイックな生活はパリ五輪出場が決まるまで続く。今の目標は「オリンピックで活躍すること。その後は見えていない」。愚直な男は真っすぐ、突き進む。

 

 

パリ五輪を目指す薬師寺晃

 

 

(柚野真也)

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