コンディショニング特集④ トラッキングデータでフィジカル向上 大分トリニータ
2019/01/19
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システムの導入に当たり、メーカーと協力してサッカーに必要なデータ項目を計測できるよう改良を重ねた。その一つが高強度運動を測定できるもので、項目には“根性”と記されている。「高強度運動とはハイスピードでスプリントした後に完全回復しない状態でもう一度スプリントした回数のこと。分かりやすい例として、相手にボールを奪われた時に、もう一度全力でボールを奪い返す回数ですかね」と佐藤淳フィジカルコーチ。数値化することを好まない選手もいるが、「このシステムは選手がサボっているのを数値化するものではない。あくまでも選手に分かりやすく、伝えやすいようにするためのコンディショニングツール。負荷が異なる選手たちの蓄積疲労が分かれば、けがの予防につながる」(佐藤フィジカルコーチ)と、使い方次第で多くのメリットを生み出すと話す。
片野坂監督もデータに依存するつもりはない。「あくまでの参考の一つであり、データが先走りしてはいけない。大事なのはピッチで戦うことが継続できること」。昨季は「ライフキネティック」という、脳機能と神経の伝達機能を強化するトレーニングを週に一度取り入れた。その効果は明確でないが、11人が攻守に渡って最良のポジションを取り続け、位置的有利、質的有利、数的有利を確保する片野坂監督の“変幻自在のサッカー”を実践するために「フィジカルよりも状況判断が必要だった」と安田好隆コーチは振り返る。毎年、新たな取り組みを続ける大分トリニータ。今季はこのトラッキングデータが何をもたらすのか。「新たな試みとしてはいいこと。いろんな変化を選手に与えたい」と語る指揮官は、変化を受け入れ、新たなチームを作ろうとしている。
練習後に数値を確認する選手たち
コンディショニング特集
(柚野真也)