大分工業高校 サイドを攻略し、自信深める攻撃力
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2018OFAリーグ開幕特集 #05
「高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2018 OFAリーグ」(OFAリーグU-18)に所属し、6月の県高校総体に向けて強化を図る高校を特集する。5回目は昨年の県高校総体、県高校新人大会で準優勝した大分工業。全国の舞台に向けた道筋が見えている。
リーグ戦3試合を終えて2勝1分。2月の県高校新人大会で準優勝したチームは、九州新人大会に出場し強豪校と真剣勝負をした経験が大きな自信となっている。「試合内容が悪くても勝ち切れる気持ちの強さが出てきた」とキャプテンの矢野達也(3年)。相手に主導権を握られる苦しい時間帯が続いても、焦らずに自分たちの流れが来るまで耐えることができるようになった。
リーグ戦の収穫は、攻撃力のレベルアップに現れている。友成義朗監督が推し進めるサイド攻撃が機能し、狙い通りにゴールに迫るシーンが増えた。県高校新人戦ではあまり見られなかったビルドアップが形となった。パスを回す中でセンターバック間の距離を広げ、さらにサイドバックを高い位置へと上げることでサイドで数的有利の状況をつくろうと試みている。起点となる矢野が「攻撃のイメージが湧き上がっている」と語ったように、テンポよくパスをつなぎ、2列目、3列目の選手が飛び出し、厚みのある攻撃を仕掛けられるようになった。
一連の動きは形となっているが、相手のプレッシャーが強まった時にパス回しの段階でミスが出るとボールを下げてしまうことがある。「組織で守ってくるチームに対し、ビビってチャレンジしなくなる。速い判断が必要」と友成監督。それは、県高校新人戦からの課題であった守備の安定に通じるところがあり、相手が前線からプレスをかけてくると押し込まれたまま反撃の糸口をつかめない。割り切って守備を固めることもできるが「それでは攻撃力が半減する」(友成監督)とあくまでも攻撃的に戦うことを目指す。
攻守両面で積極的に攻めるスタイルは詰めるべき部分が多く残されているが、目指す攻撃の形は体現され、躍動感がある。チーム全体で守るところと攻撃に出るところとを統制し、巧みに試合を進めることができれば全国高校総体、全国高校選手権への道も近づくはずだ。
選手個々に勝ちたい思いが強くなった